|
|
2003年08月22日(金) ■ |
|
ダロウェイ夫人的行動 |
|
昨夜は自分の日記が面白くて(?)、ついつい朝まで読み返してしまった。気がつけば、もう蝉が鳴き出していた。
面白くて、というのは冗談だけど、漢字の変換ミスとか、てにをはのおかしいところ、句読点がめちゃくちゃなところなどなど、書いた時にはうっかり見逃しているミスがたくさんあるので、たまに読み返しているのだ。
それに、年をとると同じことを何度も喋るなんてのと同じで、日記にも同じことを繰り返し書いてることがよくある。自分ではすっかり忘れていたりするのだが。同じことを考えていたって、日記だからいいんだとは思うけど、自分の「呆け具合」を世間にさらしているみたいでよくないから、時々見直さないと。
そういう作業を繰り返しても、まだまだおかしいところはあるのだけど、それは私に文才がないってことで。。。(^^;
マイケル・カニンガムの『めぐりあう時間たち』を読んでいて、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』と同じような文体が気になって、頭から離れなくなった。そういう文体で、自分の行動もいちいち確認してみたりしてしまうのが非常にうっとうしい。
「私は足を踏み出す。捻挫をした足首が痛い。冷蔵庫を開ける。水を飲む。しかし氷を入れなければ。手を伸ばす。冷たい空気が腕まで。アポロ13号のことが思い出される。彼の手、彼の髪、耳のうしろにある傷。私がつけた傷。ビールを買っておかないといけないかしら・・・」
なーんて調子で、行動をいちいち文章にしてしまうのだ。あの文体で!それがあんまり頭から離れなくて嫌になってしまったし、直訳調というか、いかにも翻訳調というか、そういった調子にうんざりして、珍しく日本文学に手を伸ばした。
でも、きれいな日本語を読みたいと思ったら、残念ながら日本文学ではダメなこともある。かえってイギリス文学などの古典のほうが、きれいな日本語だったりする。ジェイン・オースティンの作品などは、みんなきれいな日本語だし、サー・ウォルター・スコットなども、ちょっと古めかしすぎて笑ってしまうけれども、きれいな気持ちのいい日本語で訳されている。
少し前に読んだ、山本周五郎の『日本婦道記』は美しい日本語だった。今回読んだ藤沢周平の本は、江戸の庶民の人情話のようなものだから、内容は面白いが、下町の話はけして品のあるきれいな日本語とはいえないから(江戸の言葉は方言だから)、今回の目的にはそぐわなかった。
〓〓〓 BOOK
◆読了した本
『夜消える』/藤沢周平 内容(「BOOK」データベースより) 酒びたりの父親が嫁入りの邪魔になると娘に泣きつかれた母親、岡場所に身を沈めた幼馴染と再会した商家の主人、五年ぶりにめぐりあった別れた夫婦、夜逃げした家族に置き去りにされた寝たきりの老婆…。市井に生きる男女の哀歓と人情の機微を鏤骨の文章で綴る珠玉の短編集。単行本未収録の名品七篇。 目次 夜消える/にがい再会/永代橋/踊る手/消息/初つばめ/遠ざかる声
◆BOOK・OFF
『たんぽぽのお酒』/レイ・ブラッドベリ \100 内容(「BOOK」データベースより) 輝く夏の陽ざしのなか、12歳の少年ダグラスはそよ風にのって走る。その多感な心にきざまれる数々の不思議な事件と黄金の夢…。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、少年の愛と孤独と夢と成長の物語。「イメージの魔術師」ブラッドベリがおくる少年ファンタジーの永遠の名作。
たしか、初めて読んだブラッドベリ作品がこれだった。100円だったので買っておいた。もう2回くらい読んでいるのだが、中身をすっかり忘れている。これも<SUMMER READING>リストに入りそうな本。
Copyright(C) 2001-2013 SCHAZZIE All rights reserved.
|
携帯用URL:http://www.enpitu.ne.jp/m/v?id=83698
|