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2003年08月21日(木) ■ |
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核の威力を知らないアメリカ人 |
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テレビで映画「アトミック・トレイン」を観た。列車が暴走する話はよくあるが、この映画はそこに核兵器が積んであり、人々の努力の甲斐なくそれが爆発してしまう。最後には主人公も逃げるしかなくなり、何とも報われない話なのだ。
これを観ていて、核が爆発するかもしれないというのに、ずいぶん悠長に構えているなと思った。だから主人公がかっこよく立ち回って、結局爆発はしないのだろうと思っていたら、なんと、簡単に爆発してしまう。
実はその後が信じられない。どうやらアメリカ人は、核爆弾とは「単なる大量破壊兵器」であるとしか思っていないらしい。映画には放射能による被害など、ただのひとつも映されていない。ただ、ものすごい爆風が襲っただけ。「万一爆発が起こったら、頭から服をかぶれ」などと本気で言っている。
たしかに娯楽映画だからリアルな描写はいらないのかもしれないが、なるほど、アメリカ人は核の本当の威力を知らないのだなと思ってぞっとした(もちろん、アメリカ国民すべてがとは言わないが)。日本に落とした原爆も、戦争を早く終結させるために必要だったなどと言えるのは、真の威力を知らないせいではないのか。実際にアメリカ軍は情報規制をして、放射能の恐ろしさや被爆地の惨状をアメリカ国民には隠していたのだから。
映画では核爆弾が落とされるかもしれないとか、不慮の事故で爆発してしまうかもしれないというテーマはよくあるが、実は彼らは日本人が感じる恐怖の半分も恐ろしいとは感じていないのだと思ったほうがいいだろう。だから、「アホでマヌケなアメリカ白人」であるブッシュが、「核を使用する」と言ったら、本当にやりかねないと私は大いに憂慮する。
けれども広島の平和記念館で、焼け爛れた人間の死体の写真を見て、大声で笑いこけているような日本の高校生にも問題ありだ。日本人は、もっと子孫にちゃんと伝えていくべきだ。核の真の威力を知っているのは日本人だけなのだから。人類はまだ核を使いこなせない。後始末をすることができない。だから使ってはいけないのだ。
アトミック・トレイン〈完全版〉 出演: ロブ・ロウ, クリスティン・デイビス, その他 監督: ディック・ローリイ, デビッド・ジャクソン 内容(「Oricon GE」データベースより) 核を積み込んだ暴走列車をくい止めるため奮闘する男の姿を描いたロブ・ロウ主演で贈るパニックアクション。
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