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2005年11月11日(金) ■ |
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Poison(Chris Wooding)@29/269p |
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●読書中:Poison(Chris Wooding) 翻訳≫『ポイズン』(クリス・ウッディング) ポイズンは、〈黒の湿地帯〉に浮かぶガル村の少女。父と継母と妹の4人で暮らしていた。ある日恐ろしい怪物が幼い妹をさらい、かわりに妖精の取替え子が残された。ポイズンは妖精王から妹を取り戻すべく、精霊獲りの男を旅の仲間に、住み慣れた村を出発した。行く手に次々現れる不思議と危険。持ち前の負けん気と機知でそれらを克服した彼女はようやく妖精王のもとにたどり着く。だが、それはまだ冒険のほんの始まりにすぎなかった!
さて、どうかな。ちょっと不安。実は【魔物を狩る少年PB】も、手放しで「面白かった!」というのじゃなく「まぁまぁ良いんじゃないの」という程度の感想だったし。最初の方を読んだところ、意地悪な継母とか出てきてて絵に描いたような設定なんですけど。 主人公の少女ポイズン(16才)がいい感じ。こういう勝気でガッツのある子って好きだな。 Gull村は黒い沼に浮かべた小屋を繋げて作った集落で、古めかしい因習に縛られたような陰鬱なところ。ポイズンはそりの合わない継母と角を突き合わせながらも、淡々と暮らしてきた。が、怪物(というか妖精)に妹を攫われてしまう。村の物知り爺さんには「忘れろ。取替え子を本物の妹だと信じて暮らしてゆけば、いつか妹が帰ってくる」と言われるが、ふざけんな!とか爆発して妹を取り返す旅に出るわけだ。危機に直面して、追い詰められると怒りがわいて来る子っていいなぁ。そこで悲しみや苦しみを怒りに変換できる強さがいいなーと思う。 ポイズンはもともとの名前をフォックスグローブ(*)という。さらわれた妹の名前はアザレア。ガル村では14歳の命名の儀式(成人式)に自分で自分の名前を選ぶ習慣がある。普通、女の子は草花の名前、男の子は動物や自然の風景の中のものから名前をつけ、多くは14歳の誕生日を迎えてもそれまでと同じ名前を名乗るのだが・・・その日、フォックスグローブと継母がひどいケンカをして、"You're poison to this family, poison!"と罵倒されたところから取って、彼女は自分で"Poison"と名乗ったというわけ。 *foxglove :ジギタリスのこと。和名「狐の手袋」 可愛らしい姿をした強い毒草。
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