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2005年06月12日(日) ■ |
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蒲公英草紙 常野物語(恩田陸) |
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●読了:蒲公英草紙 常野物語(恩田陸) 出版社 / 著者からの内容紹介 舞台は20世紀初頭の東北の農村。旧家のお嬢様の話し相手を務める少女・峰子の視点から語られる、不思議な一族の運命。時を超えて人々はめぐり合い、約束は果たされる。切なさと懐かしさが交錯する感動長編。
冒頭に「私の郷里は県の南部、山を越えればすぐに福島という場所」「阿武隈川沿い」とあるので、話の舞台は宮城県かな? 語り手の少女・峰子は「槇村の集落」と呼ばれる集落のまとめ役である槇村家の隣に住んでいる。ある夏、槇村家に「常野」からの来訪者があり、4人家族でやって来た彼らと接触するうちに、常野と槇村の集落との関係が明らかになっていく。
ううむ、デスマス調の本はあまり好きじゃないんだが。 静けさの漂う、現実と微妙に距離感を置いた雰囲気。全体がセピア色のフィルターのかかった懐かしい思い出の話だから、余計距離感があるような気がした。私は「感動長編」って言うほどには入り込めなかったけど、表現をあえてぼやかして、表面上のストーリーよりももっと大きなことを描こうとしているみたいだと思った。 【光の帝国】は、たしかもっと現代小説というか、エンターテイメントなノリだった気がするのだけど、これは文学書と言う方が合ってると思う。
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