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2003年05月01日(木) ■ |
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The Changeling Sea(Patricia A. McKillip)読了 |
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●読書中:The Changeling Sea(Patricia A. McKillip) <内容> 話の舞台は、大小の島々から成る王国の小さな漁村。主人公ペリ(ペリウィンクル)は海辺の宿屋兼居酒屋で働く少女。父が漁に行ったまま行方不明になってから、母もまた毎日海を眺めて、波の下にある海の王国を夢見るように暮らしている。海は私の愛するもの全てを奪っていった・・・そう憎しみをこめて海を眺めるペリ。その年は王とその王子が例年よりも早く村にやって来て、ペリは海辺で風変わりな王子Kirと知り合う。同時に海竜(Sea-dragon)が村を騒がせ初めて・・・北の海の漁村を舞台にした海と陸のものたちの不思議なラブストーリー。
なるほど〜、海竜がもうひとりの王子だったのか!なるほど!!Σ( ̄□ ̄; 内容を一言で言うと、王族と海のものの間にある軋轢があって、それをペリと魔法使いLyoが(結果的に)正す、という筋。タイトルの"Changeling"は「チェンジリング=取替え子」のこと。妖精が人間の子と自分の子を取り替えるという、あれね。だからタイトルは「海の取替え子」というくらいの意味だ。 この本は確かにマキリップの他の本に比べるとずっと短くて分かりやすいけれど、だからって半端な感じはしない・・・設定や語り口はいかにもマキリップだし。微妙に薄暗くて、すぐそこが別の世界(この場合は海の下の世界)へ繋がっている危うい感じが良かった。 でも描き方によっては、同じテーマでもっと詩的に、もっと深く深く書けたんじゃないかと思うと、ちょっともったいない感じはする。初めての人がマキリップがどんな作家か知るにはいいかもしれない。他の作品は、この本をもっと深く濃ゆくした感じだと思ってもらえればOKって意味で。
●買った本 和書3冊¥577 『不思議の国のアリス』新潮文庫(ルイス・キャロル)¥250 『不思議の国のアリス』角川文庫(ルイス・キャロル)¥150 『鏡の国のアリス』角川文庫(ルイス・キャロル)¥150
私はアリスが大好きなもので、持ってない本を見つけるとつい買ってしまう。アリスの翻訳は文庫本だけでも本当にあちこちから出ているけど、どれも一長一短なのでちょっと困る。楽しいけど(笑) ざっと見た感じ、今日買った新潮文庫版は装丁やカラーの挿絵はとても素敵だし、翻訳も内容的には良いのだけど、口語体の文章に好き嫌いがありそうだ。私はちょっと疲れるから好きじゃないかも。角川文庫版は冒頭の献詩が省略されている時点で、すでに問題外。私が知る限りでは、今のところ一番良いのは河出文庫版だ。挿絵がテニエルだし、翻訳も一番読みやすくて正確。そういうわけで、アリスの文庫が欲しい時は、河出文庫版を買いましょう!・・・でも、河出版は『鏡』が無いんだよなぁ。うーん(悩) *アリスの翻訳についてはこちらのサイトが詳しい=The Rabbit Holeの【「アリス」邦訳ブックレビュー】
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