日曜の夜、
『風味絶佳』(山田詠美著)をまったりと読み、そのままのまったりとした、それでいて晴れやかな気分のままで、あっさりと眠った。で、いつもよりも早く2時前に起きてしまい、あせった。(いつもは4時半から5時のあいだです、はい。。)
で、早く起きた次いでに、
『虹』(吉本ばなな著)を読み始めた。最近になってから彼女の作品をちゃんと読んでみたいと思っていたのである。今までちゃんと読んだのは、『キッチン』と『うたかた』、それと『サンクチュアリ』くらいなので、良い機会かな、と思い、昨日購入してみた。
で、今、半分まで読んだだけなんだけれど、以下、半分までの、感想をメモ化。
まず、読んでみて気づいたのは、どうも私は、「吉本ばなな」という名詞から連想する色々なニュアンスを、少しずつ勘違いしていたらしい、ということであった。この『虹』という作品をマトモに読んでみて、「吉本ばなな」というのは単なる商標なのではなく、今まで築いてきたブランドで以って作品を誤魔化そうとするのでもなく、私が予想していたよりもずっとずっと、正当であることが良くわかったのある。
それと同時に、逆説的ではあるけれども、この作品を「吉本ばなな」ではない他の作家が書いたのならば、今よりもずっとずっと評価されただろうなぁ、とも思う。試しに「吉本ばなな」とは異なる名前で、何か書いて欲しいなぁ、などど思ったり。
そして、ちと話は飛ぶけど、改めて気づいたので書いておきまする。私はここ数年のあいだ特に、「小説」というジャンルを読むのを躊躇っていたんだけれど、その理由がなんとなくわかったような気がする。たぶん、それは、その小説世界に時間と感情を投入しても良いと思えるような作品、というものがあんまり無いと思っていたかもしれない。逆に言えば、小説という他者が創り上げる世界に頼らなくても、自分の世界が楽しかったからなのだろうなぁとも思う。
でも、今は少し変わってきたようで、小説という道具によって、身近に溢れているにも関わらず“生き方”という言葉で見過ごすことを自分に許している沢山のことに触れる切欠を得られるかもなぁ、などど思ったりもする。ということで、しばらくのあいだ、小説を読む日々が続きそうな予感であーるよ。