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   Written by なお。
◆日記『心地よい孤独。』◆
孤独はいいものだということを我々は認めざるを得ない。
しかし、孤独はいいものだと話し合うことの出来る相手を持つことは一つの喜びである。
byバルザック
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2003年08月08日(金)
たったひとつの恋が人生を狂わせていく不思議。

“彼女”の話を聞きながら「やるせないなぁ。」と思った。
家に着き、メイクを落とし、いつものようにコーヒーを1リットル淹れ、日記読みアンテナ(→左にあるヤツね。)をチェックする。日記を通してたくさんの人たちのハッピーでもあり苦しくもある「今日」という日をチラッと覗かせてもらいながら、自分にとっての「今日」を振り返ってみる。


こうすると、その日の自分の軸がまとまり、何やら日記らしきモノが書けるのだが、今日は全然まとまらない。というか、冷静になれてない。もしかすると私は「恋」に怒っているのかもしれない。人事だと頭を切り替えれば済むことなのに、“彼女”の言葉や表情を思い出しては何度も「やるせないなぁ。」と繰り返し思ってしまうのだ。


たったひとつの「恋」が誰かの人生を狂わせていく不思議に、私は何度すれ違ったことだろう。
何百回と見てきたんだからいい加減慣れれば良いものを、慣れるどころか年々「やるせないなぁ。」と呟く回数は増加する一方で、「なんで恋なのさ?」とその度に思い、今夜もまた同じことを思った。


もしも“彼女”と私がもっと以前からの知り合いで、もっと親しかったなら・・・。私は迷わず言っただろう。
「あなたから“何か”を奪うだろう相手を選ぶべきじゃない。」って。
“何か”にはいろいろある。例えば、お金、仕事、可能性。そして、その人の人生そのもの。


子供を起こし、食事の用意をする。学校に行かせる。昼間の仕事をする。夜はホステスになる。そんなシングルマザーの毎日。「もうね、どうなってもいいかも・・・。」と呟く“彼女”の横顔は、「恋」や「愛」と引き換えにするにはあまりにも美しすぎて、たったひとつの、小さくはかない「恋」が今の“彼女”の基だというのが不思議で、今夜もまた「やるせないなぁ。」と思う私がいた。


どうして多くの人々は「恋」や「愛」と引き換えに“何か”を失いたがるのだろう。まるで“何か”を失くさなくちゃ「恋」でも「愛」でもないみたいに。
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