戯言、もしくは、悪あがき。
散る散るミチル
ミチルは果てた
充電切れたら
今夜も寝逃げ

2004年01月02日(金) あたらしいおわりのはじまり

自分の好きなものを見たり、聞いたり、触れたり、食べたり、
そうやって選び取って摂取していく作業っていうのは、
やさしくなるためにするんだなって思った。
ひとにも、自分に対しても。
これいいなって思う、その瞬間にほんの少しできた、
自分、自分、自分でいっぱいの脳みその隙間が、
ちょっとだけあったかくなることを許してくれるような気がした。
だからそういうふうに、
選び取ったものをひとつひとつてのひらでなでていけるような、
頬擦りしてありがとうを言えるような、
そういう年にできたらいいと思った。
すこしずつ。

 *

今年のはじまりは初日の出を見た。
ほんとうの初日の出。すくなくともわたしにとっては。
ビルと、薄い雲の間から、赤い光が拡散して、
やがて丸い輪郭がのぞいて、それがほんとうの円になる。
昇っていくに連れて、狂ったような赤はすこしずつ正気を取り戻して、
やがてそれさえ失って白い光になる。
その過程。
を、ずっと見ていた。

それから、日の出の直前の空のグラデーション。
きちんと七色に分解されて、
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、って、
地平線から(実際にはビル群だけど)頭の真上に向かって移っていく。
緑色の空なんてはじめて見たよ。
そういうものが存在しうることを、初めて知った。

たまたま一緒に見ることになったひとが、
「ね、こういうのはほんと、一番好きな人に見せてあげたいよ」って言った。
わたしは、そういうふうに思えるということは、
その相手の人をほんとうに好きなんだな、と思った。
素敵なことだと思った。
わたしはまだ、わたしと手をつなぐことでせいいっぱいで、
目の中を風景でいっぱいにしながら、
自分の心臓を一生懸命こねくりまわしている気がする。
それでも。
広がる空と、その下で影絵になるビルや電線と、空を飛ぶ鳥と、飛行機と、
偶然見えた富士山のうっすらとした影と、
すべてがにじみだして、やわらかくて、うれしかった。

とても寒かったので、煙草を一本吸った。
初喫煙。
煙草は暖を取る作業にはならないなと改めて思ったけれど、
美味しかったです。

 *

こんな新年おめでたい日に、
こんな辺境の日記を読みに来てくださった方がいるとしたら、
感謝感謝です。

あけましておめでとうございます、
今年もどうぞ宜しくお願いします。

(名前の占いをしたら、本名の画数は最悪の運勢らしい)
(絶対にうまくいかない人生らしい)
(でも向いている職業は詩人らしい)
(それが一番どうかと思うらしい)

小夜


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