戯言、もしくは、悪あがき。
散る散るミチル
ミチルは果てた
充電切れたら
今夜も寝逃げ

2003年11月11日(火) 断続の果て

いつかてのひらに海を広げて
船を一艘浮かべたい
手招きで波を起こして
踏まれる前の雪色した帆が
ひかりを連れてたわむのを眺めるの

昨日はじめて靴を履いた少年が
はじめての船の甲板で
じっと遠くを見てる
覗き込むわたしの目を
どこかの惑星だと思ってる
(それは、光って、見えただろうか)

くるくるとよく動く指が
手すりの上を駆け抜けて
落ちるってことはきっと
楽しいはずだって気がしてる
まだ 行き先は知らない
つまさきが少し窮屈だった

はやくたどり着きたくて
うずうずしているのね、少年
わたしの指は
ヒマラヤの背高山に見えたかしら
見上げて 見上げて
首が痛んでも彼方を探して
思わずこぼれたわたしの吐息に
ぶかぶか帽子 飛んでった

人差し指で捕まえて
ほら、君はまずあの山を越える
それから もっと その先へ
行くのよ 君は、少年
目の中に惑星を飼ってる
遠くない未来 その手足で
君が旗を突きたてる場所

いつかてのひらに海を広げて
夜にはゆるやかなさざなみを立てて
揺られる船は君を浮かべて
途切れることなくうたうだろう

わたしはずっとそれを眺めて
夜が闇にのまれないように
この目を伏せずにいられるだろうか
すっくと伸ばした人差し指に
君の帽子を引っ掛けたまま


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