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十年選手 - 2009年04月15日(水) なにごとも十年続けると、ひとかどの存在になる(らしい)。 とはいえ、お水の世界で十年ってのはいかがなものか? 指名しているわけじゃないんだが、まあ「準担当」、みたいな嬢がいる。 いまは会員制のカウンターバーにつとめている。 そこは指名制ではなく適当に女の子が入れ替わっていくしくみだ。 僕のほうからはまったく指名しないのに、なぜか6、7割がたは、彼女が自動的につく、そんな感じ。 彼女のほうで「わたしが担当」と勝手に決めているらしい。 彼女は高校を卒業後すぐこの世界に入り、いくつかの店で働いてきた。 パッと見はややハデ。背が高く、顔立ちは東南アジア系。 カタコトの日本語をしゃべると、タイ人になりすますことが出来るタイプだ。 この子、OLみたいな仕事はあまりしてこなかっただけに、感覚がちょっと普通じゃない。 前に勤めていた店が営業停止をくらって失職していたときも、お水以外の仕事でしのごうという発想はまるでなく、ただただ同業種で職探しをしていた。 結局、新しい店が見つからず、昔勤めていた店に出戻ることになったわけだが。 彼女においては、もう、お水以外の選択肢はないようなのである。 たしかに、女性が三十前後になって、美容師みたいな資格でもない限り、まともな時給をもらえる仕事は少ない。 身元保証とか特に必要なく、一番手っ取り早く日銭が稼げるのは、やはりお水。そういうことなんである。 でも、このままこの仕事を続けていても、何か上のステージに行けるようには思えない。 将来どうする気なんだろ? たぶん、何も考えていないか、「なんとかなる」と思っているか、そのどっちかだ。 彼女には多分に動物的なところがある。 人生、すべて動物的なカンで決めてきたのだろう。 一応人生設計をして、それなりに教育を受けて、会社に就職をした人間(まあ、僕もそのひとりといえるだろう)から見れば、なんとも向こう見ずな人種に思えるが、意外とそういう人間ほど実社会ではしぶとく生きていけたりする。 あるとき突然結婚して、子供2、3人引き連れる肝っ玉母さんになってしまうのかもしれないし、ずっと独身でいくのもかもしれない。 僕としては面倒を見る気はまるで起きないが、彼女の行く末がどうなるのか、見届けてみたい気はある。 ...
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