まーくん的日常...まーくん

 

 

カワイイ男とコワイ男 - 2002年10月24日(木)

漫画家・柴門ふみさんのエッセイに、「女性は実は、かわいい男性が好き」という主旨の文章があったと記憶している。

具体的にいえば、女性はシンガーでたとえるなら長渕剛よりは吉田拓郎のほうが好き。
なぜなら、長渕は「コワイ」感じがするから。
拓郎は、長渕にくらべると「カワイイ」感じがする。
だから好き。と、こういうことなのだ。

この話、動物にたとえてみるとわかりやすいかもしれない。
ヘビやトカゲや恐竜が好き、という女性はまずいない。
やはり、パンダやラッコやアザラシのほうが人気がある。
なぜなら、後者のほうが「カワイイ」から。

では、カワイイとはどういうことなのか。
さらにもう一歩ふみこんで考えてみよう。

カワイイとは、言いかえれば、「保護本能をくすぐる」、そういうことではないかと思う。

赤ん坊が「カワイイ」とよばれるのは、あまりにも無力で大人が保護してやらないことには生きていけない、そういう存在だからである。
赤ん坊が「オレ、ひとりでも生きていけるから、構わないでくれ」みたいなことを言い出したら、全然カワイクナイだろ?

「助けて」「かまって」のサインを、何のためらいもなく出し続ける、この無防備さに、大人たちは思わず手をさしのべてしまうのである。
カワイイとよばれる生き物や人間は、おしなべてこの「保護本能をくすぐる」ようなキャラが強いと考えていいと思う。

長渕が「コワイ」といわれやすいのも、あの目つきが爬虫類っぽくてコワイということもあるだろうが、つまるところは、「オンナなんかいらねえ」みたいなツッパったところがあるからだ。

そういう意味では、かたくなに再婚を拒んで独身を通している高倉健サンなども、やはり女性にとっては近寄りがたいものがあるだろうね。
なんか、「大丈夫、オレひとりで生きていきます」みたいな感じだもんね。

一方、「カワイイ」と呼ばれる男性たちは、いたって情けないところがあって、すぐ助けを求めちゃう。
「ボクちゃん、ひとりじゃ生きていけない、助けて!」みたいな。

たとえば吉田拓郎サンが健サンとは対照的に、何度も結婚を繰り返すのは、そういう、「弱さを隠せない性格」も大いにかかわっているのではなかろうか。

誰かと結婚していないとダメ、という「さびしんぼう」な性格ゆえに、彼は何度だって結婚してしまうのである。

たいていの男性は「弱音を吐いては、男がすたる」という妙なプライドがあって、相手に自分の弱さを簡単に見せられないものだが、「カワイイ」とよばれる男性は、そのへんの「しばり」がまったくといっていいほど、ない。

そのへんを、女性は実に敏感に察知する。
さすが、子供を出産し母親となることを運命づけられた「性」だけのことはある。

相手の顔色、目つき、口ぶり。
そういったものだけで、この男性は自分にとって「コワイ」存在なのか、「カワイイ」存在なのかを一瞬にして峻別してしまう。

コワイ男は、当然ながら敬遠し、カワイイと思う男は思いきり愛玩する。
そういうものなのである。

見た目は男っぽく、同性から見れば「いいヤツ」でも、まったくもてない男がときどきいるが、そういう男はたいてい、女性から見れば「コワイ」と思われているのだろう。

でも、ちょっとした工夫で、その「コワイ」という印象を変えることは、実は可能だ。
そのへんのことは、次回で考えてみよう。


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