まーくん的日常...まーくん

 

 

「コワイ男」から「カワイイ男」へ - 2002年11月04日(月)

すでに二回にわたって書いてきたように、オトコにとって異性から「コワイ」という印象をもたれることは、いまや数多くのデメリットこそあれ、メリットなど何もない。

ところが、オトコどもは実に長いあいだ、自分が「コワイ」奴であることを、ことさらにアピールし続けてきたように思う。
それは何故かといえば、「戦乱」の時代が長らく(何千年、いや何万年か)続いてきたことが大いに関係しているだろう。

とにかく少しでも相手に「コワイ」と思わせる、つまり威嚇することが、日々これ戦(いくさ)の時代には不可欠の「自己演出」であった。

そのためには、「笑顔」など、オトコにとって不要のものであるとされてきた。
ニコリともせず、ひたすら「コワモテ」で通すこと、これがオトコの行動規範のすべてであった。

その「戦乱」の時代が、前世紀の後半、世界的にもようやく終焉を迎えるようになった。
それはまさに、「価値の転換期」でもあった。

日本では1945年8月の敗戦以降、オトコどもはオンナたちにとって「コワイ」ものではなくなった。
オンナたちは、オトコたちの腕力を恐れることなく、男女平等を謳歌出来るようになった。
二度と「戦う」必要がなくなった日本にとって、「コワモテ」のオトコたちもまた、不用品となったのである。

そして、オンナたちは、「愛玩出来るオトコ」「カワイイ男」こそ一番好ましいと考え、そういうオトコたちにむらがるようになる。
最初はアメリカ軍の白人兵士たちに。
彼らが撤退するころには、ウェスタンやロカビリーの歌手たちに。
その流れの上に、グループサウンズ、さらには現在のジャニーズ系アイドルたちがいることはいうまでもない。

他のオトコどもがどんなに眉を顰めようが、オンナたちは、彼らに対して黄色い嬌声を上げることをやめようとはしなかった。
そのうちに、武骨なタイプのオトコたちのなかにも、彼らのように女性にモテるほうがいいかなと考え直すものがひとり、ふたりと出て来る。
自分の過去のやり方を捨てて、新しい時代の流儀に従うようになる。
だんだん敵方へ「寝返る」男性が増えていったのである。

そして、何十年もの歳月が流れ、今や異性にカワイイといわれるために、ありとあらゆる努力を惜しまない男性が「多数派」となった感がある。

彼らは髪を染め、逆立て、眉毛を抜いたり剃ったりして書き入れ、ピアスをし、永久脱毛をほどこし、朝食を抜いて少しでも体重が増えないよう気を遣う。
そして、もちろんファッション雑誌を読んで、身だしなみや流行りにも気を配る。
まあ、涙ぐましいばかりの努力(笑)。

その「熱意」を、別のところに向けたらどうなんだ?なんていうのは、オヤジ世代の発言。
若い彼らとしては、ただただ女性に無視されたくないばかりに、やっているのだ。
いってみれば、死活問題(笑)。

ただ、僕が見るところでは、若い彼らのそういった努力も、どうも「空回り」しているんじゃないのー?という気もしないではない。
あまりに「カタチ」のうえだけの「カワイさ」をアピールすることしか、彼らの思考回路にはないのだ。

考えてみればいい。
男性が、ある女性を「カワイイ」と思うとき、それは単に彼女の容姿のみを「カワイイ」と感じているわけではないでしょ?

もちろん、「整った顔立ち」は重要にして不可欠な要素ではあるが、それだけでは十分条件とはいえない。
どんな美形であっても、ふだんはブスッとしていて、自分の恋人や夫の前でしか笑顔を見せない女性なんて、カワイイとは思えない。

やはり、愛想のよさ、惜しみない笑顔こそ、カワイイ女の第一条件。
あるプロの写真家によると、どんな「不美人」「非美人」でもいい感じに撮ることは可能だという。
つまり、彼女の「笑顔」を撮ればそれなりに見られるものだ、というのだ。

そのくらい、「笑顔」とは、最強の切り札、リーサル・ウェポンなのである。
雑誌アンアンの最新号で、女性の好きな女性タレントの第一位に松嶋奈々子さんが選ばれたそうだが、彼女などはまさにあの値千金の「笑顔」だけで、現在のポジションをつかんだといえそうだ。

その反対に、笑顔がよくないと、どんな端正な顔立ちの女性でも、「カワイイ」とは言われない。
一説では「ブス?ッ」としている女だから「ブス」だというらしいが、それはオトコについても同じことが言えるのでないかな。

男女の経済力の格差がほとんどなくなった現在、女性は生きていくために男性に媚びを売る必要はなくなった。
苦虫を噛み潰したような表情の、偉そうな態度を取るオトコに、ムリにへつらうことなどないのである。
そういう「ブスなオトコたち」は無視して、自分に対して愛想のいい男性を選べばいいのである。

かつて、
「オトコは度胸、オンナは愛嬌」
ということばがあったが、これを当世流に言いかえるなら、
「オトコは愛嬌、オンナはIQ」
とでもいうべきか。

アメリカでは、身分証明書・免許証等、ポートレート写真の基本は、日本とは違って、「満面の笑顔」が基本だという。
まだまだ過渡期の日本では、「ちょっと気取った、冷たそうな感じのオトコ」に人気があるのだが、流れは着実に変化し、「笑顔のカワイイ、素直な感じのオトコ」のほうにスポットが当たってきている。

まずは、一日一回、鏡の前に立ち、笑顔の練習から始めてみよう。
これまで女性に縁が薄かったモテナイ君も、これで人生、劇的な転回をとげるかも。


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