嫁が職場で「女子会」なる飲み会に参加するから子供達の晩ご飯をヨロシクと言いつつ。
「おばさんしかいないのに『女子会』って」
セルフツッコミをしながら夕方出かけて行った。まあおじさんしかいないのに「少年隊」ってのもあるし。僕も飲みたいなあと喉の渇きを覚えたので、
「じゃあ僕らも居酒屋に行くか」
と子供達を誘ったら
「行く!」
即決だったのでそういうことになった。もちろん飲むのは僕だけだ。過去何度か連れて行ったことがある「魚民」。子供でも食えるメニューもあるし個室だし、子供達もファミレスとはちょっと違う雰囲気になんかワクワクするようだ。
そんなわけでWO民にレッツラゴー。注文を取りに来たのは顔なじみの女の子店員、あーちゃんであった。近所のおっさんソフトボールチームの飲みでもたびたび来ているのである。
「あーちゃん、ひさしぶり」
「お久しぶりです〜。今度、私、店長になったんですよ」
「すごいじゃん、店長!」
「でも店長じゃなくって今まで通り、あーちゃん、って呼んでほしいですぅ」
「そうかそうか、あーちゃん」
そんな風に言われるとなんかオヤジ心にぐっとくるものがあった。今度は指名しよう。あ、キャバクラじゃなかった。
そんな鼻の下を伸ばしている僕をシラーッとした目で見ていたのが娘・R(12才)と息子・タク(10才)。特に
「なんでオヤジって若い女が好きなん?」
と吐き捨てるように言う。
「オヤジは女と酒が好きなんだよ。お前もそのうち分かるさ」
そう説明したら
「ボクはママしか愛さない!」
おお、なんという潔癖男。お家断絶しそうな勢いである。
「おまたせしましたー」
あーちゃんが注文の品を持って来た。で、Rを見て何年生だっけ?と聞く。
「もう小学校卒業」
「えー、そんなになるの!」
「ちっちゃいんだけどね」
「いえ、女の子はちっちゃい方がいいよ!」
絶対!ちっちゃい方がいいからね、と何度も念を押して去って行った。Rは嬉しいような恥ずかしいような顔をしていた。
ひととおり食べて、僕も酔っぱらってまったりしていると
「ねえパパー、ちょっと探検してきていい?」
とタクが言う。腹が満たされて店内を探索したいと言う。
「走ったり騒いだり他の個室覗いたりしたらダメだぞ」
一応念を押して出してやると、すぐ戻って来た。
「どーもどーも、こんばんはー」
なんとタクの少年サッカーチームのコーチたちとバッタリ会ったようで、僕らの個室にドヤドヤとやって来た。この店は必ずと言っていいほど近所の人達に出会うのだ。
「あれ、君は妹だっけ?」
「姉です!」
「あはは」
酔っ払いコーチはRを見つけてケラケラと笑う。コーチは「では」とすぐ出て行ったがRはご立腹である。
「妹?って言われるの、これで3回目!」
やはり小さい、と見られるのはあまり好きではないようだ。
「あー、じゃあそろそろ帰ろうかなー」
「お水飲みたい」
「お、そうか。パパも最後にもらおうかな」
そんなわけであーちゃんを読んだ。
「何か飲まれますか?」
「うん。お水もらえる?」
魚民だからウォーター、ミー。なんちて。
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今日もアリガトウゴザイマシタ。