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■娘の卒業とオヤジの業。
2016年04月09日(土)
もう先月のことになってしまったが、娘・R(12才)の小学校で卒業式があった。

ニュースでは「半数ぐらいが袴姿で…」などというすごい気合の入った小学校もあったが、こちらは半数ぐらいがAKBみたいな感じである。Rもブレザーにチェックのスカートで大人びた感じになっており、

「似合うね。カワイイよ」

と半分涙目でRを褒めると、Rもまんざらでもない感じでフフンと微笑んだが、

「それが中学校の制服だったらいいのになー」

と余計なことを言ってしまうとRの顔がすぐズーンと暗くなってしまった。しまった。こんど入学する中学校は制服が死ぬほどダサく、それがRの悩みなのである。

まず子供達が学校に向かい、父兄受付時間になってから僕と嫁が卒業式会場の体育館へ。しばらく待っていると息子・タク(10才)を含む4年生と5年生が入って来た。彼らは卒業生を送る歌を歌ったり、言葉のかけあいをしたりするのだ。タクはこちらをちらっと見てニコニコしていた。パーカー姿だったので

「ちょっと普段着過ぎたかな」

「別にいいんじゃね」

などと嫁と話す。

やがて定刻になり卒業生たちが入場してきた。既に泣いている父兄もいる。Rはこちらに絶対視線を合わせず、意地悪な笑みを浮かばせながら歩いて行った。

卒業証書授与。子供達は名前を呼ばれるとただ「ハイ」と返事をするだけではなく、

「僕は将来、サッカー選手になりたいです!そのために、中学ではサッカー部に入って頑張ります!」

などと将来の夢を言うんである。ウワサでは「ユーチューバーになりたい」と言うつもりだった子が事前に担任からダメ出しを食らったとかあったようだが、みんなよく考えていて地に足が着いた立派な夢を言うもんだから、自分の子じゃなくても泣けてくる。で、わが娘Rは

「私は!母や祖母のように保育士になりたいです!」

と大きな声で言う。いやー立派だ!嫁と嫁母、尊敬されてるんだなあ…。僕は尊敬されてない父ではあるがとりあえず感動した。

それからお偉いさんたちの式辞や、「僕たち」「私たちは」「卒業します」でお馴染みのアレ(21世紀になってもまだやってるんだね)。そして合唱になるといよいよお別れテンションが最高に高まり、涙がポロポロこぼれている子もちらほら。なんと、Rも泣きながら歌っている!脳内お花畑だからポヤーンとしてて泣かないと思っていたのに。

式が終わり、卒業生は一旦退場。在校生や父兄は校庭に出て、卒業生用の花道を作った。そして改めて卒業生たちが出てきて花道を通って校門まで行く。Rは担任の先生のすぐ後ろにいた。先生はアラサー体育会系の威勢のいいお姉さんで、袴姿がりりしい。

「先生、お世話になりました」

「あっ梶林さーん!」

先生はスパーンとハイタッチしてくれた。そしてその後ろのRにも

「Rー!おめでとうー」

と手を差し出したのだけれども、スルっとかわされ

「ばいばい」

と笑われたのみであった。お前先生よりノリ悪いじゃないかよ。なんでそんなに父に対してつれないのだろうか。今はそういうお年頃でも、将来はいないよりはマシだぐらいの悟りを開いて欲しい。

花道にはそんな境遇の近所のオヤジ達がたくさんいて、

「Rちゃん立派でしたねえ。お母さん尊敬なんて泣かせるじゃないですか」

隣に住んでいる女の子のお父さんに声をかけられた。

「お宅の○○ちゃんも素敵でしたよ」

「いやいや、うちの○○だってRちゃんママめっちゃ尊敬してるんですよ!目標なんですよ!」

「ええー…」

うちの嫁ってすごいんだなあ…。僕も尊敬されるよう、昼間のパパは男だぜ、みたいな、実はすごいんだぜアッピールをかましてやろうか。

「パパ実はハーバード大出てるんだぜー」

尊敬じゃなくてショーンKになってしまった。

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