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■胸騒ぎの餅つき。
2015年12月24日(木)
子供達の小学校で餅つき大会があった。

その前日、僕らオヤジ達はお母さん達と混じってもち米を研ぐ下ごしらえに駆り出された。

小学校の家庭科室の、いくつもある流し台のひとつに陣取り、妖怪小豆研ぎばりの素早さでもち米を研ぐ。普段やりなれないもんだから冬の水の冷たさにしばし固まってしまう。毎日お米を研いでいるお母さん達はエライね…とリスペクトしたが、お母さん方はお湯が出る流し台でやっておりふざけんなこら。

で、いくつものでっかいポリバケツに研いだもち米を入れ、水を張り、翌日に備えた。

翌朝もそのもち米を運んだりテントを張ったり大忙し。そうこうしている間に関係者が続々と集まって来た。

餅つき大会だけではなく、消防署や区の防災課が来て備蓄食品などの炊き出し訓練、地震体験車が来て地震模擬訓練などもあるのだ。

また、警察も来て交通事故講習。これはプロのスタントマン達が実際に車に轢かれるシーンを再現するもの。ロッチの「轢かれたー!」のコント並みに体を張って跳ね飛ばされていたので子供にはインパクト大。リアル過ぎてドン引きの子供達もいたけれども、チョロチョロしまくりのウチの子らにはちょうどいい教訓かな、と。

また、地元民が多く集まるところには必ず政治家来たる。某衆議院議員の秘書なる男がさっそーと来てさっそーと餅を適当に付いて帰って行った。

お前のようにポーズだけじゃ済まねえんだよ!と、僕らオヤジはぺったんぺったん餅をつく。何しろ前日に仕込んだ大量のもち米を全て餅にしなけらばならない。そして餅を求める多くの地元民が長蛇の列を作っているのである。

ワシらオヤジがついた餅は、テントの下にて作業をしているお母さん達が、のり巻きにしたりあべかわにしたりあんころもちにしたりして配布しているのである。

僕も非力ながら餅つきぺったんをした。前年は振り下ろした杵が臼のヘリにぶつかり、杵の木屑が餅に入ってしまった、という失敗を犯したため神経を使った。

幸い同じ過ちは犯さなかったが、

「ああああー!」

他のオヤジが、ついている餅を地面に落としてしまうという失敗を犯してしまっていた。それも3回。同じ人がやったのではなく、違う人が1回ずつやったのであるが。

これには主にもち米を仕込んだお母さん達が激おこ。しかし原因はもち米や杵にちゃんと水を付けてなかったから餅が杵にひっついてしまい、杵を振り上げた時にも餅が張り付き、ボトッと臼の外に落ちてしまったせいである。これはちゃんと水をつけていなかったかえし手担当のお母さんたちのせいとも言え、一概につき手のワシらオヤジに責任を押し付けてもなあ、という感じで一時期険悪になった。

まさに餅ベーションの欠落。なんちて。でもそこは地域と子供達のためを最優先し、餅製造マシーンとして一体感は保つワシらオヤジとお母さん達。

「もちつきしたい!」

と目を輝かせ興味津々の子供達もウェルカムだ。ちょうど僕の息子・タク(10才)も寄って来きたので

「やるか?」

「やる!」

ということで餅つきぺったん。娘・R(12才)もいたので

「Rもやる?」

と振ってみたところ」

「やんないし」

ツンツンした返事。そういえば餅つきしたい!と言っている子供達ってほぼ幼稚園から小学校低学年ぐらいのチビッ子で、最年長がせいぜいタクぐらいであり、6年生のおしゃまな女子達にはまるで興味のないコンテンツなのであった。

餅つきがひと息ついて、僕らも餅をいただくことにする。他の人達は餅をもらうために行列を作っているが、僕らは餅つきお疲れ様ということで別枠で餅を持って来てもらった。

さらに餅とは別に炊き出し訓練で作っているけんちん汁も。僕はどっちかっていうと餅よりけんちん汁の方が好きで、その暖かさと野菜や豚肉たっぷりの汁をすすり恍惚となった。それから余った餅を嫁に持って行ってやると、嫁も僕と同じ嗜好のようで

「ワタシ、お餅よりもけんちん汁の方がいいなー」

とかほざく。うるせー俺のちんちん汁で我慢しろ!と言いたいところだが、よそさまの目もあるし、まだ午前中で下ネタには早い時間帯だったし、餅つき労働者特権で並ばずにもらえるからまあいいか、と戻り、

「けんちん汁おかわりください」

と言ったところ

「ダメ!餅はいっぱいあるけど、けんちん汁は余裕がないの!だからおかわりはナシ!」

ものすごい勢いで断られてしまった。

けんちん汁はけち汁であることよ。なんちて。

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