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■スーシネーター。
2015年12月15日(火)
だいぶ前の話。僕の誕生日祝いということで回転寿司に行った。

ひと月前のタクの誕生日の時にもそれだったので本当はもっと違うものが食べたかったのだけれども、既に息子・タク(10才)の頭の中では何ヶ月も前から寿司と決まっていたようで、僕の誕生日を口実に自分の好物を食べる気満々なのであった。何かというと回転寿司なので

「君らは焼肉なんてどうなん?」

と聞いてみた。娘・R(12才)と同級生のオヤジ達と話すと、例外なく子供らが焼肉屋が大好きらしく、ウチと全然違うので不思議に思っていたのである。すると

「うーん、別に」

Rはもともと食が細く、日曜の朝とかほっとくと朝飯に1時間以上かけて食べる。フランス料理のフルコースじゃないっつうの。実は寿司も食べられるネタはごく限られている。それでも文句なく付いてくるのはサーモンとデザートのメロンが好きだかららしい。ていうかメロンなんか流すな寿司屋。Rは焼肉についてもそっけない反応だったのはよく分かる。

「ボクは魚系なの!」

しかしタクは肉より魚が好きなんだと強く主張する。最近特にその傾向が強くなってきた。ホントに肉はあまり好まず、ラーメンのチャーシューですら食べない。魚系男子なんだろうか。ギョギョーとか言い出したらどうしよう。

そんなわけで食べ始める僕ら。嫁は白身中心、Rはサーモンやらタマゴ、僕は旬のおススメものを中心に食べる。おお、今日は寒ブリがうまそうだ。タクは魚系を自称するだけあり、どんどん食べられるネタが増えてきた。

「ねえパパー。大トロっておいしいの?」

「いやーあれは脂っこくてダメダメ」

「そっか。じゃあマグロ」

ふう。出来るだけ舌が肥えるのを防がないとそのうち僕はカンピョウ巻きぐらいしか食べられなくなるだろう。

そんなわけで僕の誕生日についてはほとんど触れられず、腹いっぱい食べた僕ら家族は店を後にした。

「いやー、すっかり寒くなりましたねえ!」

駐車場で誘導していた警備員のおじさんに声を掛けられた。そうですねえとか返事すると

「私、孫が11人いるんですけどね〜」

とか

「だからお年玉の出費がすんごいんですよー」

とかペラペラペラペラ堰を切ったように話し出す。うわああ話したがり警備員だったああ。更にはRとタクに向かって

「ん?君らは双子の女の子かい?」

などと言うもんだから、家に帰った後で

「あのおっさん、まじむかつくんだけど!」

タクは怒り心頭であった。

「まあまあ、暗い夜道でよく見えなかったんだろうよ」

なだめるのに必死な僕。

寿司だけに、タク、お寒ブリ。いやお冠。なんちて。

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