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■怒り日記。
2006年01月10日(火)
娘・R(2才)が某幼児雑誌が製作する子供用の歌と踊りのDVDに
出ることになった。

別に芸能事務所に登録してるとかいうわけではなく、ミーハーな
嫁が雑誌社に応募したのでだ。読モ(読者モデル)ってやつである。

朝も早よからスタジオに到着すると、控え室には僕らのを含め
30人の子供とその両親合計100人近くの人間が終結していた。

「はい、ではスタジオに移動してください」

撮影時間になるとスタッフが呼びかけ、僕らはゾロゾロとスタジオ
入りした。そこには某国営放送の子供向け番組に出ている歌のお姉
さんがおり、

「キャー!○○お姉さんよー!」

嫁がいち早く興奮していた。その歌のお姉さんが

「さあみんなで踊りましょー!」

とか言って子供達が彼女の周りで踊る、という内容の撮影なのだが

「申し訳ありませんが、泣いてしまったお子さん達はスタジオから
 出ていただきます」

とスタッフから申し伝えられた。撮影は当然親は出られないので、
まずRを

「さ、○○お姉さんのところに行っておいで」

と撮影場所にひとりで行かせなければならない。Rは素直にトコトコと
歩き、お姉さんの横でスタンバっていたのだが、ほぼ半分の子供達が
「ママー!」と号泣して親から離れられず脱落。

「よしR、偉いぞ。お遊戯教室に通ってる効果があった…!」

と僕は悦に入り、親が待機しているゾーンで撮影を見守っていた。
しかし本番撮りが始まってすぐ、事件が起こった。撮影場所のほぼ
中央に陣取っていたひとりの男の子が、Rを引っ叩いたのである。
始めはRも別に気にしてないようであったが、そのガキはRが近付く
度に何度も叩くのである。Rは遂に

「うわーーーん!」

耐えかねて泣き出してしまい

「すいません、出てもらえますか」

とスタッフに言われてしまった。泣けば出なければならないという
ルールは最初に言われたので承知していたが、どうも納得できな
かった。あの暴力ガキこそ追い出すべきではないのか。彼が「俺の
場所を取るな」とばかりに他の子に暴力を振るう限り、どんどん泣く
子が増える。

その子の親が悪いという訳ではない。親達は撮影場所に近寄れない
ので、注意できないのだ。だからスタッフがちゃんと仕切るべきでは
ないのか…。

「あの男の子がぶつんですよ!」

と抗議をしたものの撮影はどんどん進むので、止む無く泣くRを抱いて
退出したのであった。

「R、かわいそうにねー。ちゃんと頑張ってたのにねー」

控え室に戻ると、そこは同様に泣いてしまった子供とその親達が戻って
来ている脱落者ゾーンとなっていた。ここで息子・タク(3ヶ月)を
抱いて待っていた嫁に

「Rはちゃんとやってたんだよ。でも男の子に叩かれて泣いちゃって。
 なんだよあのガキ。スタッフもちゃんと見てないし。嫌がらせする
 ガキは残しておいて、泣いた子だけ出させるなんておかしいよ」

等と不満をこぼしていたら、ひとりのお母さんと思われる女性が
やって来て

「すいません。さっきのうちの子なんです」

うわー。話を聞かれてしまっていた。

「いやいや、どうもどうも…」

と苦笑いで答えるしかなかったが、本心は僕がRが殴られた分だけ
そのガキをぶん殴りたい気持ちでいっぱいであったが、

「でもRが一番可愛かったよね!」

嫁と慰めあいながら家路に着いたのであった。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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