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■いらんこと砂。
2006年01月09日(月)
外の寒さにもひるまず、うちの娘・R(2才)は公園で遊びたがる。

子供は風の子なのでそれが本来の姿といえよう。しかし出不精で
オタクな僕としては寒いのは嫌であり

「まあRはん、冷たい風が当たってしまいますわ。お屋敷の中で
 読書でもしたらどうどすか?オホホ」

京都のやんごとなき深窓の令嬢ごっこをしてRの気を引こうと
したのだが

「うなば!(砂場)いく!」

Rは決して意思を曲げないのでバケツ等の砂場七つ道具を持ち、
ラップを口ずさみながら公園に行くのであった。

ヘイ、ヨー、チェックベビチェックベビワンツースリー。

どこにいるんだ 深窓の令嬢。
ウチの娘は とっても強情。
寺にいるのは 禅僧の和尚。
ウチの嫁さん カズノコ天井。
そんなおいらは 負け犬根性。

(MC Kajilin「HIPHOP術だよ人生は」より)

公園には徒歩2分で着く。陽が当たらず一層寒い砂場で元気に
遊ぶRを、震えながら見守りつつ考える。何故Rはこれ程まで
砂場が好きなのだろうか。この子の砂場好きに対抗出来るのは、
世界広しといえど産卵期のウミガメぐらいだ…。

「ぱぱ、じゃー!」

Rがバケツを僕に手渡したことにより思考中断。Rはバケツに水を
「じゃー」と入れて来い、と言っているのである。

「えーただでさえ寒いのにやめようよ…」

「ぱぱ、じゃー!ぱぱ、じゃー!」

半分泣き声になっているRの強情さにまたもや逆らえず、公園の
水道で水を汲み、水に触れたことによりますます体が冷えたので
すぐ側にある自販機で缶コーヒーを買った。勿論ホットである。

Rはバケツの水をスコップで汲み、コップに入れて

「ぱぱー。らーめんでーす」

と僕に渡した。Rはこの手のお店屋さんごっこが大好きである。
受け取らないとまたうるさいので慌てて缶コーヒーを置き、

「はい、どうも」

コップを受け取って食べるマネをする。

「おいしーですか?」

「とても澄んだ色のスープですねー…って水やんけ」

Rはその後も砂と水を交互にコップに入れたりで忙しく、一方で
僕はもう寒さの限界であったので唯一の救いである缶コーヒーに
手を伸ばしたのだが、

「はい、ぱぱ、じゃー」

缶の中に思いっきり砂を入れられた。

「Rぅうううう!」

砂場は修羅場と化したとさ。

これを京都のやんごとなき深窓の令嬢ごっこで言うと

「不憫ど砂〜」

ケビンコスナーみたいだ。

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