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■誕生日イブ。
2005年11月20日(日)
昨晩、娘・R(2才)と一緒に床に就き、布団の中でまだ眠らずに
遊びたがっている彼女を

「今日はおしまい。明日は何して遊ぶ?」

となだめながら夜伽話をしていた。

明日(昨日の時点での明日。つまり今日)は僕の誕生日である。
しかしこれといって何の感慨もないのでおそらく平凡な日曜日と
なるであろうと思った。

「いつものように公園に行って、砂場で遊ぶか?」

「うなば(砂場)、しない!」

「あれ、遊ばないの?Rちゃんは砂場大好きじゃないか。じゃあ
 ぽーん(ボール遊び)しようか」

「ぽーん、しない!」

「えー、じゃシーソーは?

「しーそー、しない!」

「ブランコ」

「ぶだんこ、しない!」

Rの好きな遊びをことごとく言ったが、何故かRはやらないという。
もしやRは僕の誕生日を知っていて、いつもと違うもっと特別な
ことをしたいの…と考えているのではないだろうかと勘ぐった。
いつもは絶対してくれないチューをしてくれるとか。

「じゃあRちゃんは明日何をするのかナ?」

そんな期待半分でRに猫なで声で尋ねてみたところ、

「のんのーん」

と言ってお手手の皺と皺を合わせた。のんのん、とはR語で拝む
ことである。Rはお墓や仏像などを見ると必ず手を合わせる。
どこまで分かってるか知らないが、とりあえず拝む対象というのを
幼いながらも区別出来ている。

「そうか。のんのんか。拝むのか。明日は僕の命日だもんなあ」

「のんのーん」

「…って命日じゃなくて誕生日だろオイ」

思わずボケツッコミをしてしまったが、一体Rのこの言動は何を
意味するのであろうか。何となく気になってしまう。子供って
突拍子もなく妙に予言めいたことを言うし…。

明日、僕は車にでも撥ねられて死ぬるのだろうか。それとも僕の
パターンからすると、日付が変わって誕生日になった途端

「なー誕生日だしいいだろ。ハッピーファックデー」

と嫁に言い寄ってそうだから、その最中に腹上死してしまうとか。

せめてRと息子・タク(1ヶ月)が成人するまでは生きていたいな、
と些かセンチメンタルが止まらない状態になってしまった。

そして翌朝。つまり今。この文章を書いているということは、ひと
まず腹上死からは免れた。というか嫁に免れられた。

今日のバースデーがエックスデーになりませんように。

セックスデーになりますように。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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