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■実家に帰らせていただきます。何度でも。
2005年01月12日(水)
娘・R(1才)と共に実家から帰ってきた嫁が
恐ろしいことを言った。

「これから月イチは実家に帰ることにするわ。
 だって楽だもん」

ああ、ついにこの時が来たか。

実家には育児や家事やら何かと手を貸してくれる
親がいる上、赤子より手が掛かってがさばること
この上ないダメ亭主はいない。

楽であるが故に実家に入り浸りになる嫁。よく聞く話である。

今まではこんなことを言わなかった。嫁は過去何度もR連れで
実家に帰ってはいる。しかしそのたびにRが「場所見知り」を
してしまい、少しでも嫁がいなくなると火が付いたように
泣き叫び、おちおちトイレにも行けない状態であったという。

それが先週末の実家帰りではRは「場所見知り」を克服したらしく、
嫁にとっては今までになく楽だったようである。それで冒頭の
ようなことを思い立ったというわけだ。

「月イチぐらいならいいけどさ。そのうち月3になって
 5になって10になって最後は31になっちゃったらやだよう」

僕は嫁にすがった。雨に打たれてずぶ濡れになった仔犬の
眼差しを演出して嫁を見つめた。

ここで少女漫画の世界であれば、優しいヒロインは白いワンピが
汚れるのも厭わず、ギュッとワンちゃんを抱き上げてくれようが、
嫁にそんな慈悲心は既になく、

「さあ…どうかしら…」

運がよければどこぞの誰かが拾ってくれるでしょうよ、とでも
言いたげな含み笑いをみせるのみであった。…おそろしい嫁!

巷では最近、三十路を過ぎて結婚できぬ女性を
「負け犬」と呼ぶらしい。

しかし三十路を過ぎて嫁に愛想を尽かされた男は
「捨て犬」と呼ぶにふさわしいであろう。

アイフルの仔犬のような可愛さも既にないだけに悲惨だ…。


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