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■娘を訪ねて三千円。
2004年08月01日(日)
実家に帰った嫁からメールが来ていた。

居心地がいいので二度と帰りません、などという
内容だったらどうしようかと思ったが

「R(11ヶ月)が人見知りと場所見知りして
 いっぱい泣いちゃってる」

とのことだった。嫁実家に電話をしてみると

「にええええ」

と、電話越しにRのグズリ声が聞こえ、居ても立ってもおられず
三千円の水菓子を手土産に嫁実家へGO。迎えに来てくれた嫁父が

「俺の顔を見るとずぐ泣きやがるんだよ」

苦笑いで不満をこぼす。詩吟をやっていて声がでかいためか、
Rは嫁父が苦手だ。ふふふ。待っていろR。僕が、この父が、
君を助けてやるからな。僕の顔を見さえすれば泣き顔も
瞬時にミリオンダラーの笑顔になるであろう。

「Rちゃーん。お父ちゃん来たよ〜ん」

嫁実家に飛び込むと、慣れない家と慣れない嫁一族に囲まれて
心なしかオドオドした表情のRと目が合った。さあ、1日ぶりの
あなたのお父様であるぞ。この胸に飛び込んでオイデ。

「ぎゃわーーーーん」

なんか、メチャクチャ泣かれてしまったんですけど…。

「アナタの顔を忘れてしまったのよきっと」

嫁がひどいことを言う。確かに毒にも薬にもならない
薄い顔してるけどさ…。

犬だってもうちょっと覚えているだろうが!

その後、近くの駅前で阿波踊り大会があるというので見に行った。
テクノ好きの僕から見れば、阿波踊りはまさにミニマルテクノそのもの。
トライバル・ミニマルとでも言おうか。踊るアホウにCHILLアホウ。
血湧き肉踊る感がある。隣にいた嫁は僕に輪をかけて血が騒いでしまったらしく

「わたし…阿波踊りやるわ!練馬にも阿波踊り団体ないのかしら」

踊るアホウになる決意をしてしまった。これ以上アホウになってどうする
つもりなのだろうか。

どどーん。

天空から光と爆音が放たれた。花火大会が始まったようである。

「Rちゃん、あれが花火だ!」

僕がこの夏Rに一番見せたかったもの。それが花火。
思いもよらないチャンスであるのでRを抱っこして
懸命に見せようとするのだが、Rは何故か僕の方を
じーっと見ているだけであった。

「Rちゃん、花火を見なさい!お父さんなんて
 いつでも見られるんだから!」

再び嫁がひどいことを言う。僕は涙がこぼれないように
上を向いて花火を見るしかなかった。

泣く子と罵倒には勝てぬ。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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