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■懐メロ。メロメロ。寝ろ寝ろ。
2004年04月10日(土)
娘・R(8ヶ月)の寝床は部屋のはじっこだ。
最近布団の上でごろんと横になり壁を向いていることが多い。
夜中起き出しても手足でぺたぺた壁を触っているのだ。

「壁際に寝返り打って〜♪」

『勝手にしやがれ』だったっけか。羽賀研二。
じゃなかった沢田研二。歌詞の続きは…と記憶を辿ってみると

「やっぱり〜お前は〜出て行くんだな〜」

嫌な歌詞を思い出してしまった。
いずれRも嫁に行く身。僕から離れていくさまを想像してしまった。

「行ったきりなら幸せになるがいい〜い〜。
 戻る気になりゃいつでもおいでよ〜。
 せめて〜少しはかっこつけさせてくれ〜。
 寝たふりしてる間に〜出ていってくれ〜。
 あああ〜あああ〜…

 …うわあああああ〜!」

急に悲しくなってきた。
本当は別れる寸前の男女の歌なのだろうけれど、
僕のように娘をどこぞの馬の骨なんぞに奪われてなるものかと
思いつつもそれは単なる我儘に過ぎず、娘の幸せを願うならば
黙って見送るしかない父親の心のジレンマとも見事に
マッチする歌詞ではないか。

まさに『勝手にしやがれ』と拗ねてみたくもなるし。
やるなあ、ジュリー…と目頭を熱くしていたら

「ごん」

鈍い音がして我に返った。そしてそれとほぼ同時に

「ぎゃあああああん」

Rの号泣が。どうやら壁に頭でもぶつけたらしい。
人生最初の壁にぶち当たったようだ。

そうだRよ。これからの人生、何度も壁にぶつかる。
痛くて苦しいだろうがそれでも乗り越えていかねばならぬ。
でも君は赤ちゃんだから僕がだっこしてあげよう。

「R。大丈夫かい?」

Rを持ち上げて顔を覗いてみると

「でへへへ」

笑いおった。この子はわりと打たれ強い
根性を持っているのかも…

というよりも、早く寝て欲しいものである。
真夜中に安っぽいホームドラマを展開してもなあ…。
こんな時間まで赤ちゃんが起きていていいものだろうか。

「今何時!そうね大体ね〜」

そりゃ『勝手にシンドバット』だ。

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アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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