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■同棲ではなく、あくまで同居である。
2001年03月08日(木)
彼女が転がり込んできて1週間ほど経つ。
彼女が急に人事異動を食らい、
勤務地がとても彼女の家から通えないところになったため、
一人暮しの部屋を見つけるまでウチに置いておくことにした。

彼女自身は

「同棲生活すたあと♪」

などと勘違いして浮かれまくっているが…。
そして僕は早くも帰宅拒否症。
こんな窮屈な暮らしだとは思わなかった。

仕事場から家に帰らずゲーセンへ。

僕が普段から夜ゲーセンにしょっちゅう行っていること、
そしてそのゲーセンには僕が気に入っている店員の女の子、
Rちゃんがいて、しょっちゅう会っていることは
バレバレなのだがかまう事はない。けっこうヤケクソ。

UFOキャッチャーの景品で
「どこでもいっしょ」のトロのちゃぶ台があった。
トロマニアの僕としては是非欲しいモノである。
…だがなかなか獲れない。

「んふふふふふ」

Rちゃんが後ろに立っていた。僕が悪戦苦闘していた様を見ていたらしい。

「獲りやすくしてあげるよ」

RちゃんはUFOキャッチャーのキャビネットを開け、
中のトロの景品を移動してくれた。

いくら仲の良い間柄とはいえ、タダで景品をくれることは
店員としてご法度なのだ。

しかし、それでも獲れない。

「ん〜もうちょっと移動してみようか?」

Rちゃんがもう一度キャビネットを開けようとした時、僕のケータイが鳴った。
ケータイ画面を見ると、彼女からである。

…怖くて出られなかった。

「Rちゃんと遊んでないで早く帰って来い」という催促に決まっている。
お見通しなのだ。結構やばいかも。
それにしてもタイミング良過ぎ。どっかで見ているのか?

「ごめん、帰るわ…」

「え…いいの?トロ獲らないの?」

「うん…ちょっと…ね…帰らないと。ゴメンね」

「そっか。ふふふ、ちょっと待ってね。」

RちゃんはUFOキャッチャーからトロの景品を1個出し、僕にくれた。

「これで彼女の機嫌直しなよ」

…全てを悟られていたらしい。

彼女といいRちゃんといい、女って何故こういうことに鋭いのだ?

それはともかくRちゃん、そんなことされたらいとおしくて
ますます帰りたくなくなるんだけど。

今日もアリガトウゴザイマシタ。

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