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■女の名前。
2000年12月28日(木)
9月頃に娘が産まれた会社同僚T。
ほとんど出産と同時に僕が違う部署に移ってしまい、
バタバタしていたのであまり話したり飲んだりする
機会がなかったのだがこないだようやく一緒に飲んだ。

「どう、娘。そろそろ初潮だろ」

「馬鹿野郎、んなわけねえだろ」

そういえば娘の名前を聞いていなかった。
誕生の数ヶ月前から産まれてからもTは職場でも散々悩み、
姓名辞典まで会社に持ち込んで

「理沙…いや、美砂…」

とっとと仕事しろよ、と突っ込みたくなるほど迷っていた。
確か最有力候補は「楓(かえで)」だったはず。
みやびであり古風でもあり、なかなかよい。

「そーいえば、娘の名前、なんだっけ?」

「あのな、名前は『亜美 』だよ」

「…は?あみ?そんなのノミネートすらされてなかったじゃん」

「だって浅草寺の坊さんに一応姓名判断してもらったんだよ…そしたら
それがいいって言われてさあ。そしたら嫁も親戚も『亜美 』にしようって
決まっちゃってさあ。」

「お前、そんなんでいいのか?娘がな、大きくなって
『パパ、私の名前はどうやって決めたの?』
 なんて聞いてきたらどうする。浅草寺の坊主が決めた、
なんて答えだったら、超オザナリっぽくて悲しいじゃないか?」

「うるせー。もう決まっちゃったんだよ〜」

「楓…よかったのにな…」

「…」

「パパ…私、本当の娘じゃないんだね…浅草で拾われたんだね…」

「やめてくれー」

そんなパパの名前は「薫」。僕は「かづき」。

並べて書くとAVギャルみたいな名前ではある。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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