人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年11月21日(木) 蓋を開けたその中には、想いが溢れていた

人に話すことで、心の蓋が剥がされてしまうのかもしれない。

どうしてこんなに、時々心身をひとつの想いにがんじがらめにされてしまうのかしら?とよくよく考えてみた。考えに考えて見ると、最近の動揺の原因としての心当たりがひとつだけあった。
彼の話を、他人にした。

普段、毎日のように彼とどうでもいい話をメッセやメール、電話でしている。
愛の言葉をささやくこともあるけれど、大抵が「今日ね、どこどこでね、こうこうこういうことがあってね」という他愛のない内容ばかりだ。だから、突然、愛が燃え上がるような出来事はない。

そして、職場ではストイックな私。愛も恋も今は関係ありません、て顔して仕事している。
「どうよ、佐々ちゃん、昨日組合の集まりにはいい人いたの?」って職場の先輩に訊ねられても、「ダメでした! ちょっと太目で年上のステキな独身者はいませんでした〜」と笑顔で応える私。
そう、恋人の「こ」の字も絶対に匂わせない。指輪の存在はひた隠し。

でも、同期には、恋人の存在を隠していない。しかも、一時のふたまたのことまで知られている。
これは、街中で私が男連れで歩いているところを目撃した者が同期にふたりいるのだが、そのふたりの私の男についての証言が食い違っていたところから発覚してしまった。私ももう、否定はしなかった。

なもんだから、同期と会うと「その後どう?」と聞かれる。だから、正直に「年下の彼とは別れる方向で、年上の彼とは存続の方向で」と言う。
で、まあ、いろいろ聞かれる。彼とどんな話をしているのかとか、一緒にいるときは何しているのかとか、彼は私にとってどういう存在なのかということとか。
今週の月曜日に会った同期(男・女)も、火曜日に会った同期(女)も、水曜日に会った同期(男)も、みんな恋をし始めたのかいい人ができそうなのかなんなのか、やけに具体的な質問を投げかけてきた。
お陰で連日、私は彼の姿を脳裏に浮かべ続けるはめに陥った。

存在は忘れなくても、容姿自体は忘れていたかったのかもしれない。だって、よりリアルに彼の存在を感じてしまったら、現実の彼と会いたくなるのは必至なのだから。持っている写真だって裏返しのままなのに。

だから、私は、こんなに、もう。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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