人生事件
−日々是ストレス:とりとめのない話 【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】
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連鎖するもの。
子どもは親からの愛情をもらうことに貪欲だ。 例え、タバコの火を押し付けられても、「あんたなんて生まなきゃよかった」と言われても、叩かれても、刃物を向けられても、抱きしめてもらえなくても、食事を満足にさせてもらえなくても、何日もお風呂に入れてもらえなくても、他の兄弟と同じように接してもらえなくても、性器をいじられても、それでもなお、親を求める。親を信じる。『自分が悪いんだ』と自分を殺しながら。
自分の現実世界を真正面から受け止めているように見えても、実は受け止められているわけがなくて。 差し伸べられた救いの手に、『殴られる』という恐怖心から反射的に両腕で自分をかばってしまったりするわけで。
今日、幼い頃に母から虐待を受け、そして自分もまた自分の子に同じことをしてしまったことに罪悪感を持った女性に会った。
私にできることは、一緒に泣くことだけだった。
子どもは、親からもらうものを大切に保存する存在だ。やさしくすることも愛することも、すべて親から見よう見真似で学ぶ。 愛されて育った子は人を愛することを抵抗なくできるものだと思う。やさしくされ慣れた子は人にやさしくする方法を知っているのだと思う。 だけど、単に「愛だけを与え甘やかす」ことと愛するなどの「生きる基本を教える」ことは異なる。 そこのバランスをうまくとっていかなければ、悲しい連鎖は新たに発生し、またそこから続いて行くだけなのだ。
余談だが、津田雅美著の「彼氏彼女の事情」という白泉社から出ているまんががある。これも、最近になって、主人公のひとりが、幼い頃に虐待を受けていたという設定であるということが明らかになった。私は津田氏が「花とゆめ」でデビューする前からこの人の描く話が好きだったが、このシリーズが、こんな展開になるとは思ってもみなかった。 ただの面白半分や話を盛り上げるためだけの取り上げ方の印象はないので、そういった人たちと出会ってしまう私としては、話の展開が当初のものとは変わってしまっても、安心して読みつづけられているといえる。
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