人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年09月23日(月) トキごときに負けるなんて

『トキは目つきの悪い鳥でした・・・私も負けてはいられません』

というメールを、思わず彼に送ってしまうようなところへ行って来た。3連休を使って、ちょっと佐渡まで。

トキ「ミドリ」が平成7年4月に天に召されて以来、なんとなくトキの話題とは疎遠になっていた。絶滅の危機に瀕している動植物はたくさんあるわけで、特にトキと密な土地に住んでいたわけではなかったので、私にとってはあまり興味のない鳥であったからだろう。
だが今回、機会があって、初めて佐渡に渡った。なので、せっかくだからと定期観光バスに乗って、トキ保護センターに行ってみたのだ。
そこで、私はトキと初対面。

一時は本当に絶滅しかけていたようだが、中国から応援に来たトキたちに支えられ、センター内でぬくぬくとトキは増えていた。
だが、檻の中で過ごす彼らを見ると、なんだか動作は鈍いし、飛ぶ姿も重そうだった・・・昔は焼き鳥になり、人々の貴重な蛋白源とされていたという話を新潟県民から聞いてはいたが、捉えやすそうなのでそれも仕方がなかったのだと思う。それなりに図体でかいし、食べるところもたくさんあっただろう。
本当に、いくらセンター内育ちで敵から身を守る術をよく分かっていないとはいえ、あそこまでぼんやりしているのはどうかと思う。

で、そんなトキだが、何度も言うように、目つきがひどく悪かった。
『トキサブレ』『トキのたまご』・・・どっかで見たようなものが多かったが、それはきっと私の気のせいだ。とにかく、お菓子やぬいぐるみのイラストはかわいらしく描かれているトキが多いのだが、実際のあいつらの目つきといったら・・・
普段からつり目で、「怒るとさらにつり上がって怖さが増す」と彼が称する私が、「ま、負けてる?」と思ってしまうような顔だった、トキ。

『変なところで対抗意識燃やすなあ〜!』と彼にいさめられたが、何だかくやしいもんはくやしかった。でも、「負けてる?」と思った時点で、間違いなく勝敗は決まっていたのだ。

私はトキに負けた。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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