人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年09月10日(火) 君だけに愛を

たったひとりの人に想いを捧げるというのは、とっても難しいことなのではないかと最近思う。他の人の日記を見ていても、ふたりの人にそれぞれ想いをぶつけている人が少なくなくて。
意志が弱いのは私だけじゃないと、変な安心感を得たりして。だけどそれは、間違った安心感だとは理解している。

ついこの間までは、私は唯一人を愛する恋愛をしていた。中学校時代も、高校時代も、大学時代も、いつも私はひとりの人だけを見ていた。他の人に見向きもしなかった。好意を告白されても、きっぱりはっきり断っていた。
なのに、どうしようもないほど好きになった、はじめて身体を捧げた相手と付き合っていながら、他の人のアプローチに応えてしまった。しかも、後悔すると初めから分かっていながら、身体を開いた。

私の身体は、好奇心と見えない快楽の扉に背を押され、近づいてはいけない淵に容易く落ちてしまった。だけど、気持ちは落ちなかった。心は傾ぐことなく、なのに身体は受け入れることができた。
気持ちがそれなりでも付き合えるなんて、身体はなんて簡単な構造をしているんだろう。性と言われればそれまでだが、快楽なんて特に感じなくても人はセックスできることを身をもって知り、我に返り、動物じみた自分の行動にひどく悲しくなった。理性なんかなければ、こんな気持ちにならずに済んだのに。
意を決して飛び込んだ先にあったものは、開放感ではなく、ただただ、苦い思いだけで。

快楽を感じていたら、罪悪感を感じなかったんだろうか? 楽しいだけの、いい思い出になっていたんだろうか?

愛は、あなただけに捧げているというのに。
それでもなお、彼と切れていない事実はあって。実際に会っていなくても、愛を囁き合うようなメールをやり取りしていなくても、これは私だけを見てくれているあなたに対する裏切り行為だと、私は感じている。
恋愛対象というよりも性の対象として私を見ているだろう彼にさえも、悪いことをしていると思っている。

誠実な自分に戻れるまで、もう少し自分と話し合いたいと思う。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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