人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2002年07月06日(土) こだわりの一品 〜 たかが天ぷら鍋、されど天ぷら鍋

私にはこだわりの品というものがあって、今日言いたいそれは何某のブランド品とかではなくて、ただただ色、素材、大きさなどにこだわる「こだわり品」というもので。
現在、私が探し回っている「こだわりの品」は、料理に欠かせぬ揚げ物を揚げる「天ぷら鍋」である。

「天ぷら鍋」と聞いて、人はどんなものを思い浮かべるのであろう。それは、一般的に広く売られ、使われている、上からのぞくと丸い、黒い鉄鍋に半円の銀の網がかかっている、両手で持つものではないだろうか。もしくは最近見かける銀かホーローか。しかも、ご親切なことに温度計もついていたりして。
けれど、私の求めあぐねている天ぷら鍋は違う。鍋自体の素材には特にはこだわらない。まあ、強いて言うのであれば、ホーローは重いのでちょっとご勘弁といったところだ。
私の好みは、「片手天ぷら鍋」なのだ。片手・・・だから、径が大きすぎても小さすぎてもいけない。16センチ以上20センチ以下。そうじゃないと、油を入れると重くて片手で持つと手首に負担がかかって水がたまってしまいそうだからだ(その手首に水がたまる疾病名を、ガングリオンという。思春期の多く、テニスとかでもなる場合がある。ちなみにうちの母は圧力鍋のせいで、40歳過ぎてから罹った)。
この片手天ぷら鍋、なかなかない。丸井・SOGO・パルコ・三和・アルプス・ダイエー・イトーヨーカードー・ダイクマ・ケイヨーD2など、デパート、スーパー、ディスカウントショップのはしごを約1ヶ月、何十軒して、ようやく2種類見つけられた次第だ。2種類のうち、1種類はお弁当用のとても小さいやつで、これは値段も手ごろだったが、少々大きめのとんかつが揚げられないので却下だった。
もうひとつ・・・そう、これが21センチの、網はないけれど温度計つきの片手鍋だった。少しだけ予算オーバーしていたが、どうしてもその形にこだわっていた私はそれを購入することを決意した。
しかし、それを見つけたその日、私はラタンの電気傘を持ち帰りで購入してしまっており、手が空いていなかった。だから、次回ね、と心の中で鍋に約束して家に帰った。
後日、私は片手鍋を打っていたスーパーに行った。知らずに行ったのだが、その日は台所用品2割引の日だった。
鍋はなかった。誰かに買われたあとだった。私は定価で買うつもりだったのに。

早急に天ぷら鍋を買うつもりでいたので、近所のスーパーの日曜朝市の198円大特価のサラダ油1リットルも買ってあった。100円ショップダイソーの油粕とりも買ってあった。カラッと揚げる天ぷら粉も、サクサクパン粉も買ってあった。
そう、あとは鍋を買うのみだった。すべての準備はなされていた。
いつ入荷されるのでしょうか、片手天ぷら鍋。店員さんに聞いてくればよかったのに、当日ブツがないことにショックを受けた私はそのままふらふらと帰ってきてしまったんですわな。本当、馬鹿です、私。妙なところで繊細で、凹みやすいです。

ところで、どうして片手天ぷら鍋にこだわるのかと言うと、以前一人暮らししていたときに使っていたのが片手天ぷら鍋で、実家で使っている両手天ぷら鍋よりも使い勝手がよかったからなんですわな。その鍋、どうしたのかというと、この4月に東北に行った妹に持っていかれてしまったんですわ。というか、うちの妹、私が短大時代一人暮らししてた頃の台所用品一式、持って行っちまったんですわな・・・お陰で、就職したてというのに姉は一から揃え直し。お玉からやかんまで、お気に入りの一品たちを揃えるのは大変でした。その日々も、ようやく終結が見え始めというのに。あることは分かっているのに手に入らないなんて、なんて高嶺の花な存在なの、片手天ぷら鍋。

早く、天ぷら鍋がほしいです。あの片手天ぷら鍋が。
コロッケとか鳥のから揚げとか天ぷらとか、早く熱々が食べたいです。食いしん坊の私に天ぷら鍋がない生活は、本当に味気のないものですわ。
ふう。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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