Sports Enthusiast_1

2016年04月01日(金) 中5日なら菅野は潰れる

拙コラムにて、筆者が今季ぶっちぎりでセリーグ優勝と予想した読売。開幕2カードを5勝1敗と勝ち越し、幸先のいいスタートを切った。だが、高橋新監督の投手起用が危ないので、早めに警告しておこう。

今季戦力ダウンしたセリーグ各球団

このことは繰り返しになるが、今季のセリーグの各球団は、戦力を著しく落としている。開幕カードの対戦相手であり昨シーズンの覇者ヤクルトは抑えの切り札・バーネットが、読売が苦手とする広島はエース・マエケンが、ライバル阪神は抑えのオスンファン、主砲マートンが退団した。それぞれ代替の外国人選手を補強しているものの、異国に来てすぐ成果を出すのは概ね難しい。その結果、読売のように分厚い選手層を誇るチームが相対的に戦力面で他球団を上回ってしまう。

読売投手陣は「火の車」

読売ももちろん完璧ではない。どころか、先発投手陣においてマイコラス、大竹、杉内が故障で出遅れ、ベテラン内海も復活ならず、加えて中継ぎの宮國が不調で二軍、高木京が野球賭博で出場停止と、「火の車」。それでも戦力的に見れば、他の5球団と均衡するくらいの状態である。

菅野は「中5日」だと潰れる

高橋新監督は先発6本柱が揃わないと判断して、菅野−高木勇−田口−ポレタ−桜井(登録抹消中)の5本柱を中5日で回すことにした。横浜との第3戦で菅野が7回で降板したからいうわけではないが、この中5日ローテーションは焦りすぎ。

菅野は、筆者の見方では本格派というよりは変則型。テークバックのときに肘が肩のラインよりやや低めと下がり目のため、いわゆる理想とされるフォームに比べて、ボールが手から離れるのが早い。その分、打者はタイミングが取りにくく、打ちにくい。菅野はフィジカルが強いので、この変則フォームで150キロ近くのストレートが投げられる。だから、本格派のように思われる。

菅野のウイークポイントは、変則投法による肘への過剰負担。故障するリスクは高い。加えて今季からワンシーム、ツーシームを多投し始めたため、肘への負担はさらに重くなってきている。菅野を1シーズン通して使うには、少なくとも中6日(週1回登板)で、100〜120球とすべきである。

序盤勝率5割で御の字の読売

読売の投手陣はいま「火の車」状態だと書いたけれど、他の5球団も万全ではない。先発6本柱が完全という球団は存在しない。つまり読売としては、戦力が揃うまでせいぜい5割を維持していれば御の字。故障者が戦列に復帰すれば、読売はまちがいなく、独走態勢に入れる。

菅野−高木勇−田口−ポレタ−小山−今村(桜井)でしのげ

先発6番手を誰にするかだが、実績からすれば宮國、小山、今村の順だろう。桜井を抹消して小山を上げたところを見ると、宮國がそうとう悪いようである。ということは、今村が6番手最有力候補となるが、今村は前出のとおり、高木京の代役として貴重な中継ぎ左腕。そこで、公文の抜擢である。桜井の調整が終わり、小山がよければそのまま先発に固定し、今村を中継ぎに戻すまで。菅野−高木勇−田口−ポレタ−小山−今村(桜井)の6本柱は強力とはいえないが、この体制で5割ならばよしとしなければいけない。シーズンはまだまだ先が長いのである。

※4月2日、桜井に故障があることが発覚。再登録には時間がかかりそう。代わりに、平良が一軍登録されるという。たいへん結構なことである。よって、読売の先発ローテは以下のとおりとなる見込み。訂正をしておく。

菅野−田口−今村−ポレタ−高木勇−平良(小山は中継ぎの模様)


 < 過去  INDEX  未来 >


tram