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2014年06月06日(金) 恫喝式選手起用法に陥った読売原監督

○大竹、内海の故障は読売投手陣崩壊の序曲か

読売投手陣が崩壊した。

3日のソフトバンク戦、先発・大竹が6回2死三塁から遊ゴロを放った際の走塁で右足を痛め、その裏のマウンドに上がらなかった。急きょ、青木が登板したが、1死一、三塁のピンチを招いて降板。代った香月が松田、代打の明石、吉村に適時打を浴びて計5点を失い、4番手の阿南もピンチを広げて柳田の左犠飛で1点を失った。4月までに3勝(1敗)を挙げ、5月も連勝スタートを切った大竹だが、その後は2連敗。5月9日の阪神戦(甲子園)を最後に白星から遠ざかっている。

4日のソフトバンク戦に先発予定だった内海が左肩の不安を訴え、先発を回避。診断の結果、左肩腱板の一部に炎症があることがわかった。前日原監督は急きょ中継ぎ陣でリレーを組んだが、3日の試合と同様、(今季ワーストの13失点で)大敗した。内海は5日に出場選手登録を抹消され、復帰の目途はたっていない。

○焦りの表れの中5日ローテ

読売は交流戦の変則日程を見越して、先発4投手(菅野・杉内・大竹・内海)を中5日でまわすローテーションを組んだ。大竹、内海の故障がその原因だとは断言しにくいが、中5日の調整が結果的にはうまくいっていない。

中5日、100〜120球というのは悪くない。投手陣がそういう身体を調整すればいいだけだ。ただこれまで読売は、5本柱を中6日(以上)でまわしてきた。昨シーズンもそう。それを急きょ、シーズン途中で変更した。そこが問題なのだ。結果、投手陣によけいな負担がかかった可能性が高い。内海の場合は、開幕から2か月以上勝ち星がなかったため、練習(投げ込み過多等)で肩に負荷をかけた可能性もある。

しかも、これまでのところ、中継ぎ陣(福田、青木、阿南、香月、久保、高木京ら)がことごとくリリーフに失敗している。クローザーの西村は長期離脱中、内海、大竹が潰れるとなると、拙blog(2月25日付)にて筆者が指摘したことがいよいよもって現実化してくる。

○原監督の選手起用は恫喝式

そればかりではない。原監督の焦りが目立つ。内海が先発回避した試合では、急きょ先発した阿南を1回で降板させてしまったのだ。阿南の調子は万全ではなかった(1回裏に李大浩に2ランホームランを浴びている)。だが、いくら代替登板の先発(阿南)とはいえ、1回で降板させるというのは尋常ではない。その証拠に前出のとおり、リリーフの福田、青木、久保、香月が打たれ、なんと勝ちパターンの山口まで登板させるという失態を演じた。この試合にベンチ入りさせた投手は7人(阿南、福田、青木、久保、香月、山口、マシソン)だったから、山口にアクシデントがあったら、大量失点の負け試合に、切り札・マシソンを投入しなければならなかったのである。(一方のソフトバンク秋山監督は、この試合に復帰登板したエース摂津を我慢して5回まで続投させ、勝ち星を摂津につけた。阿南を1回で諦めた原監督とは好対照の投手起用であった。)

原監督の選手起用は投手交代だけにとどまらない。野手も調子が悪いとすぐかえる。結果を出さなければ、かわりはいくらでもいるよ、という恫喝起用である。だから選手が必要以上に委縮して、結果を残しにくい。打順をみると、阿部、村田、長野が6番、7番、8番という位置にいる。実績のある打者といえども結果(成績)が悪ければ下位にするという起用法は一見、合理的なようだが、実は自軍の主力選手のブランド価値を監督自らが下げている。原監督には、そのことがわからない。相手投手は読売の主力選手が下位にいることをみれば、怖がらない。調子が悪いのだなと思って、委縮せずに思い切った投球ができる。原監督は主力選手の価値を下げ、加えて、この打者は調子が悪いですよ、という情報を与えている。つまり、相手に塩を送る結果を招いている。

○頭を使わない物量主義、主力選手のプライド傷つける人海戦術

筆者の拙blogでは読売の最終順位を2位とした。いまのところ、読売はちょうど2位にいるが、読売の野球は2位に値しない。原野球は、豊富な戦力を頼りとした人海戦術にすぎない。調子のいい選手を次々と送り込んで相手を消耗させる循環方式だ。実戦を戦いながら、新しい戦力を試すリスクを負わない、主力選手のプライドを重んじない、選手をモノとして扱う物量主義である。

こんな原野球で読売が筆者の予想に反して優勝しようとも、原監督は監督として失格である。2位とした筆者も納得がいかない。読売(原野球)は最下位こそがふさわしい。


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