2009年03月27日(金) |
WBC・日本優勝の副産物 |
いろいろ課題のあるWBCだったけれど、日本(ハラジャパン)が優勝したことは、日本球界に見逃せない副産物(成果)をもたらせた。副産物とは、一部のマスコミで報道済みのように、ハラジャパンの優勝が、星野(北京五輪代表監督)の監督能力欠如を証明したことだ。かりに、ハラジャパンが準決勝止まりで終われば、いまごろの日本球界は、ハラバッシングで騒々しかったであろう。それと同時に、星野(北京五輪代表監督)が復活し、さらに、野村楽天監督もドサクサにまぎれて、その怪しげな「野球理論」をスポーツマスコミに垂れ流し続けていたことになったであろう。
何度も当コラムで書いてきたけれど、星野の監督理論は野蛮な体育会指導であり、スポーツ近代化、民主化の阻害物であり、日本のスポーツ界から、速やかに一掃すべきものだ。星野の指導原理の象徴は、鉄拳制裁、先輩後輩の上下人間関係、そして、学閥等の人脈だ。北京五輪では、救援に何度も失敗した明大の後輩・川上投手(現MLB/ブレーブス)を星野が鉄拳制裁したという噂が絶えなかった。また、六大学野球同期の山本(元広島)、田淵(元阪神等)をコーチ陣に迎えたものの、彼らのスタッフ能力については、少しでも野球を知る人からは疑問符が投げかけられていた。さらに、星野の野望は、北京五輪代表監督を経て、読売監督就任、そして、読売新聞社主のW(N)の力を借りての政界進出だったことは、常識となっている。
監督の個人的野望、人脈人事、鉄拳制裁と、野蛮な体育会人間関係を引きずる北京五輪日本代表チームが勝てるはずもなく、大会4位(メダルなし)で終わったことは、日本球界にとって幸いだった。星野は帰国後、国際審判批判を繰り返し、自己の指導力不足を認めず、韓国をはじめとするメダリストをリスペクトする態度を示さなかった。
このようなスポーツマン精神欠如の無能力野球人が日本球界から排除されることは時間の問題であったのだが、読売新聞社主のW(N)の陰の力で、再び星野がWBCの指揮をとる路線が復活しようとした。これには、マスコミ、日本国民が猛反発し、結局は、イチローの星野批判が決定力となり、原が代表監督に就任したことは記憶に新しい。
つまり、ハラジャパンを誕生させたのは、日本国民の良識に後押しされたイチローの発言であり、このたびの日本のWBC優勝は、イチローの野球観の下に結束した、星野体育会系野球の否定の集団の偉業にほかならない。天才イチローの感性が、星野の人間性の中に、野蛮な体育会系野球の弊害を認め、原の中にそれを認めなかった。繰り返すが、WBC日本代表チームの優勝は、星野野蛮野球の排除に止めを刺した。このことは今後の日本野球の発展の大いなる礎となるに違いない。
さて、もう一つの成果(副産物)は、このたびの優勝が、野村楽天監督の怪しげな「野球理論」をも粉砕したことだ。野村は、大会中にもかかわらず、非常識にも、ハラジャパンを攻撃し続けた。とりわけ、城島捕手に対する執拗な批判はまったく的を射ていなかったばかりか、聞き苦しいものであったにもかかわらず、日本のスポーツマスコミは、それを平然と垂れ流し続けた。日本優勝の立役者の一人が、攻守にわたり活躍した城島であったことは、野村「野球理論」のでたらめさを実証した。
つまり、日本一の捕手は、野村でもなければ、ヤクルトで監督失格の烙印を押された、野村の一番弟子・古田でもない。正真正銘の日本一の捕手は、現役大リーガーの「城島」であるということだ。
星野の“体育会野球”及び野村の“でたらめ理論野球”は、このたびのWBCハラジャパンの優勝により、日本球界から一掃される。星野も野村も、結局は読売巨人野球のサイドメニューにすぎない。巨人幻想がファンの間から消え、少し遅れて、星野も野村も消える運命にある。そして同時に、評論家の堀内、中畑、江川らの巨人軍OBの“巨人軍ヨイショ”評論家も消え、田淵、山本らの星野人脈・評論家も消える運命にある。
彼らに代わって、近代的野球理論と地道な取材に基づく野球コメンテーターが残る。それと同時に、海外、日本の二軍、三軍で指導者として実績を積み上げた真の専門的指導者が残る。その代表が、渡辺西武監督だ。彼は台湾野球の監督として腕を磨き、西武に復帰し、片岡、中島らを育て、WBCに送り込んだ。
巨人軍幻想野球の時代の過去の実績に依存した野球人が消え、指導者として経験と理論を積み上げた者だけが、球界に居場所を得られるようになる。日本の野球が真のスポーツとして、踏み出そうとしている。WBC優勝は、その序章に過ぎない。
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