Sports Enthusiast_1

2006年05月29日(月) K兄弟について、専門家の声が聞きたい

ボクシング界内部から、K兄弟の実力に疑義が出始めた。イーグル京和が、K長男を「つくられたチャンピオン」だと指摘した。次男の実力を疑問視する週刊誌報道もあるし、トレーナーを務める父親を非難する声もある。
TBSはKファミリーと心中する気で長男の世界挑戦を決めてしまったのか、そうでなければ、メッキがはげる前に一気に回収に向かった、という見方もできる。
テレビは虚像をつくる。ホリエモンがそうだった。筆者はテレビがそうした傾向をもつことを認めるものの、スポーツはそうあってほしくない。特にプロボクシングには思い入れがあるだけに、このたびのTBSとKファミリーの関係を残念に思う。プロボクシングはもともと、胡散臭いスポーツだし、これまでも「つくられたチャンピオン」がいなかったとはいえない。けれど、K兄弟ほど実力に疑問符がつく「チャンピオン」はいなかった。
筆者が望むのは、ボクシング界からの、つまり専門家による専門的意見だ。TBSはもちろんのこと、世間が「Kファミリー」を面白がっている間は、スポーツマスコミはきっちりとした批評を行わない。専門家が沈黙している以上、筆者のような部外者は推測を飛ばすしかない。
一部の有名ブログは、八百長説を堂々と主張しているけれど、筆者には無根拠での誹謗はできない。だから、K長男には、世界戦の前に世界の実力者と一戦交えてほしいと提案したのだが、TBSが早々と世界戦を決めてしまった。K長男が実力で世界ベルトを奪取したとしても、それを八百長とする主張は止められないどころか、ますます加速するだろう。
K長男が世界の実力派と一戦交えて負ければ、K長男はまさに「落ちた偶像」となる。彼の世界戦は永遠に遠のく。これまで支援してきたK兄弟の商品価値は、一気に消滅する。ならば、一気に世界戦だ、ここで負けても、階級を上げてリベンジを図ればまた話題になる。商品価値は下がらない。
さて、テレビ局とKファミリーの暴走を止められるのは、ボクシング界からの声だと思う。K長男の実力について、専門家の分析がほしい。それを受ければ、K長男の鑑定が可能となる。実力の異なる相手を予言どおりKOしても、それはプロレスに過ぎない。プロボクシングは美しいスポーツだ。ときにバッティング等による凄惨な試合があるとはいえ、技術の高い選手同士の噛み合った試合はKOシーンがなくとも、感動を覚える。世界フライ級王者の具志堅の試合がそうだった。具志堅に代表される栄光の日本のボクシング界をK兄弟の出現で汚してほしくないし、道を誤ってほしくない。専門家による指摘があれば、K長男の世界戦をゼロに戻すこともできるはずだ。


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