Sports Enthusiast_1

2006年02月19日(日) ムダだった

フィンランド戦はムダだった。相手が消極的すぎる。ハーフラインの後に引きこもり、アタックをしてこない。日本の攻撃パターンとしては、1つは後方の選手がフリーの状態なので、狙い済ましたロングパスで巻を狙い、突破口を探った。もう1つは、サイドから切り崩しを狙った。相手のプレッシャーがかからないので、日本が試合をコントロールできたが、決め手を欠いたまま前半が終了した。
後半開始すぐ、速いパスを久保が合わせてシュートを決めた。2点目は珍プレーだった。相手のGKが前に出る傾向があることを見抜いた小笠原がロングボールを蹴ると、そのボールがGKの頭を越えてゴールに入った。珍しいシーンだ、こんなことがあるものなのか・・・
見所の少ない練習試合だったけれど、収穫もあった。前線で頑張った巻とサイドで粘りを見せた村井の二人の運動量だ。二人とも、オシム学校(市原千葉)で鍛えられた成果が、代表戦で出た。日本代表が強豪と戦う場合、運動量、スピードで相手を上回る以外、勝ち目がないと、筆者は常々書いてきた。この試合フィンランドが前線でプレスをかけないのだから、日本はもっと動けたはずだ。
来日したフィンランドは、2008〜2010年のユーロ、ワールドカップに向けてチームを立ち上げたばかり。戦術に関する意思統一がうかがえない。このチームには勝利に対する執念もなければ、冒険もない。W杯を控えた日本が戦う相手としては不足だ。90分間、スペースを相手に与えず、失点をしない作戦をとった。日本の攻撃に応対するだけの戦術なので、仮想オーストラリア、仮想クロアチアにはならない。
そもそも、W杯を控えたこの時期、ホームで戦ってもムダだ。アウエーに出て、厳しい条件の下でW杯のシミュレーションをしなければ、準備にならないし、選手選考の参考情報を得られない。
ジーコ監督はすでに、W杯出場選手を決めているというが、本当ならばとんでもないことだ。そんなことがあってはならない。
代表選考のための準備試合は、開催まで残り数試合しかないらしい。となると、06年、日本代表は、米国戦はともかく、フィンランド戦はマッチメークという意味で、本番前の貴重な一試合を無駄に費やしたことになる。W杯までの準備試合としては、いい選択とは言い難い。大事な時期にフィンランドを対戦相手として選んだことは、致命傷になるかもしれない。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram