Sports Enthusiast_1

2006年02月20日(月) カネモチのスポーツは嫌い?

スポーツで身を立てるのにお金がかかる。サッカースクール、スイミングクラブ、乗馬クラブ、ゴルフ場・・・は無料で利用できない。お金がかからないスポーツというのは、公立の学校の運動部だけになってしまった。貧しい若者が中学時代に才能を発揮すれば、スポーツ高校に見出され進学できるかもしれない。南米ではスラム街出身者がストリートサッカーで頭角を現し、地元クラブの下部組織に入り、そこで競争に勝ってプロ契約を結ぶらしい。貧しい時代の日本のスポーツ界は、クラブの代わりに高校の運動部が選手育成を担ってきた。野球がいい例だし、サッカーにもその名残がある。
日本が豊かになるに従って、スポーツ界も変わってきた。スポーツ育成機関が高校から、クラブ、個人レッスンへとシフトしてきた。競泳、フィギュアスケート、シンクロナイズドスイミングでは、高校をスルーして、クラブ、個人レッスンで鍛えられた選手達が第一線で活躍している。
最近の野球界、サッカー界では、中学時代に名門クラブに属し、そこから有名高校に進学するという路線が形成されているらしい。少年野球名門クラブ(サッカースクール) ⇒ 野球(サッカー)有名高校 ⇒ プロ野球(Jリーグ) に身を投じるという道だ。
サッカーでは、この路線と平行して、Jリーグクラブのユースへと進む道もあるのだが、現時点の日本代表選手の経歴を調べると、サッカー有名高校からJリーグに進んだ選手で占められているという。サッカー選手の育成機関としては、高校の方が優れているのかもしれないが、日本ではサッカーの歴史が短いので、簡単には、結論付けられない。
さて、トリノ冬季五輪開催中のいま、日本人が最も関心をもっているフィギュアスケートは、お金がかかるスポーツの代名詞だ。個人コーチのレッスン料、衣装代、遠征費等々を庶民が負担することはできない。
冬季五輪は地球の一部の豊かな地域(=北)が独占するスポーツであり、その中でも、フィギュアスケートはお金がかかる代表格だ。筆者は、そんなフィギュアを好まない。お金のない庶民として、ひがみも手伝って、フィギュアスケートが大嫌いだ。
スラム街のストリートサッカーから巨額の富を稼ぎ出す有名選手に成り上がる――そんな、サッカー神話を痛快に思う。アルゼンチンサッカーを代表するクラブの1つ、ブエノスアイレスのボカは、成り上がり志向者の受け皿の代表だ。たとえば、引退しても問題児であり続けるマラドーナは、ボカの天才中の天才だ。ブラジルでも、大都市サンパウロのスラム街から大選手、有名選手が数多く輩出されている。MLB(野球)では、中南米の発展途上国の出身者が、主力となって頑張っている。アメリカのプロバスケットチームの第一号は、ニューヨークのハーレム地区で結成された。ハングリースポーツの代表はなんといっても、プロボクシングだろう。
サッカー、野球、バスケット、総合格闘技・・・には、野心とカネが渦巻いている。胡散臭さがエネルギーとなって、スポーツの周りに漂っている。ハングリー精神こそが、プロスポーツの源泉であり魅力だ。貧しい筆者は、カネモチしかできないスポーツは、大嫌いだ。


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