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2005年12月18日(日) サッカーの不条理

サッカーのクラブ世界一決定戦「FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン2005」の決勝が横浜国際総合競技場で行われ、南米代表サンパウロFC(ブラジル)が欧州代表リバプールFC(イングランド)を1−0で下して初代王者になった。
結果はご覧のとおり、サンパウロが勝った。サンパウロが守り勝ったというところがすごい。シュート数、コーナーキック数、フリーキック数をカウントするまでもなく、リバプールのほうが優勢だった。ボール保持率はもちろん、得点以外のすべてがリバプールだった。それでも、結果はサンパウロ、勝者と敗者という絶対的な関係において、サンパウロが王者なのだ。
ブラジルサッカーの特徴というと、SBの派手なオーバーラップに代表されるように、攻撃にあるというのが常識。でも、守りも固い。この試合でさらにブラジルサッカーの「深さ」を思い知らされた。
それだけではない。サンパウロはブラジル人がレギュラーのクラブであり、一方のリバプールは、フランス、スペイン、イングランド等の多国籍軍だ。結果は、ブラジル人のサンパウロが多国籍軍に勝ってしまう。サッカーというのは、本当に不思議なスポーツだ。
サンパウロの勝因はいくつか挙げられる。筆者の乏しい情報では、サンパウロが大会開始のかなり前に日本に入り、コンディションを整えたことが一番だと思う。しかも、対戦相手となる第一試合、準決勝を全員で観戦していた映像が印象に残った。実力という抽象的な表現でいえば、リバプールの方が上だと思う。しかし、サッカーでは実力があっても、結果を出せないことがある。そんなサッカーを不条理のスポーツといってもいい。敗者リバプールのキャプテン・ジェラード(イングランド代表)の悲しげな表情が、そのことを何よりも雄弁に語っていた。


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