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2005年11月27日(日) 高齢化していた東京V

東京ヴェルディ(V)の降格については、まだ頭の整理ができていないものの、整理のヒントの1つとなるような記事が目にとまった。報道によると、東京Vが来季契約を結ばない選手のリストの中に、MF林健太郎(33)、MF山田卓也(31)、DF米山篤志(28)、MF戸田和幸(27)ら主力選手が入っていることが26日、明らかになったという。また、降格と同時に、FWワシントン(30)、ジウ(25)の両ブラジル人選手の退団が決定的となったという。
東京Vの黄金期、カズ、ラモス、北澤らが大活躍したことは、サッカーファンの記憶の中に刻まれている。そして、彼らの高齢化とともに東京Vは弱体化し、若手への切り替えが叫ばれた。チームの若返り策の結果、カズ、ラモスらは他チームに移籍し、林、山田、米山らがレギュラー・中心選手として定着した。しかし、若手だったはずの主力もいつの間にか30代前後のベテランになっていたようだ。今シーズン前の天皇杯優勝は、熟成した東京Vというチームの頂点だったのかもしれない。そして、シーズン突入とともに急激にピークアウトを始めた。
降格した東京Vだが、この先を担う実力派といえば、DF相馬崇人、MF小林慶行、小林大悟、FW森本貴幸、平本一樹らが思い浮かぶが、たとえば、磐田の若手レギュラークラス・成岡翔、前田遼一、船谷圭祐、カレンロバートらと比較するとやや見劣りする。その一方、東京Vのユースは宝の山と言われるくらいタレント揃いらしい。すでにJ1デビューを果たした選手の代表格が前出の森本、そして根占真伍らであろうか。
若手若手と思われていた東京Vは意外と高齢化していた。にもかかわらず、今シーズンは、若手の成長・台頭が間に合わなかった。それでも、ユースを含め将来を期待できる若手は豊富らしい。となると、J2の来年は若手を鍛えてJ1で通じる選手に育て上げることが課題となる。
注意しなければいけないのは、これまでの東京Vの若手の育成方法では、J1では通じないということだ。東京Vは、自分達の指導理念・指導方法をリセットして見直したほうがいい。東京Vの選手は後半足がとまると、多くのスポーツライターが指摘する。足がとまり、DFラインが下がり、プレスがかからなくなり、相手に自由にボールをまわされて失点を重ねる。それが東京Vの構造的欠陥だった。足がとまるのはトレーニング不足かそれとも精神力の鍛錬不足か不明だが、東京Vには、心身ともにタフな選手が少ないことは否定できない。東京Vの監督にだれがなるのかわからないけれど、科学的トレーニングに基づき、選手の体力づくりを行うことはもちろんのこと、組織力・規律を重んじて90分間動ける選手を育ててほしい。そういう選手を育ててJ1を進化させた監督が千葉のオシムだ。東京Vがその流れに乗り遅れたことは、筆者がすでに当コラム(2005年07月18日(月) 「こちらの読売も・・・」)で書いた。


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