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2005年11月26日(土) 名門ヴェルディ、ついに降格

J1がたいへんなことなってきた。第33節第1日の結果、優勝争いは勝点2差に5チームがひしめく大混戦となり、12月3日の最終節を迎えることになった。C大阪が勝点58で今季初の首位、G大阪は勝点57のまま2位に後退、浦和が同56で3位、鹿島は同56の4位、千葉は同勝点で5位。
一方、降格争いは決着がついて、先に降格決定の神戸に次いで、東京Vの17位が確定し、初の2部(J2)降格が決定。柏の16位も決まり、J2の3位との入れ替え戦出場となった。
降格については、筆者の予想は18位神戸、17位柏、16位東京Vと予想したので外れた。東京Vの欠陥をいまのところ、筆者は解析できていない。歯車が狂った、という表現でいいのだろうか。
この3チームのうち、柏・神戸の両チームの欠陥については、すでに何度も書いたとおり、解析は簡単だった。ところが、東京Vの弱体化の要因はわかりにくい。筆者はアルディレス監督が解任される直前、東京Vが大量失点で敗北を続けたとき、当コラムでその原因について取り上げたことがある。筆者はそのときは極めて抽象的で、東京Vは“Jリーグの他のクラブの進化に取り残された”と書いたのだが、いまでもそのコンセプトは捨てていない。
東京Vは降格危機を感知した段階で、バドン監督を招聘した。ワシントン、ジウの補強も的確だった。クラブの対策としては、神戸・柏よりは気が利いていたのだが、結果に結びつかなかった。
東京Vの個々の選手を見ていると、運動量はそこそこあるものの、いかにもパワー不足だ。プレスの弱さ、一対一の弱さ、球際の弱さ・・・技術的には「うまい」のかもしれないが、ひ弱な優等生の集合体のような感じがする。
チームカラー(全体的なイメージ)は別として、チーム構成からみると、東京Vの欠陥は中盤の弱さなのかもしれない。たとえば、坂本(千葉)、ドゥトラ(横浜)のようにしつこい守備ができて、かつ、サイドを駆け上がれるプレイヤーがいない。大分、C大阪のように、運動量が豊富でシュートが打てるボランチがいない。阿部(千葉)、佐藤(同)のように、攻守のバランスをとりながら、攻撃力をもったボランチがいない。あるいは、浦和の危機を救ったポンテのような、チームを引っ張り、かつ、攻撃の司令塔となれるトップ下がいない。
また一方、東京Vの守備の弱さはしばしば指摘されるところだが、最終ラインとボランチの関係・連携の弱さなのかもしれないし、ずばり、最終ラインのタレント不在かもしれない。ストヤノフ(千葉)のようなリベロがいれば・・・とは贅沢だが、せめて、秋田(名古屋)、森岡(清水)、小村(広島)のような元代表クラスのストッパーがいれば・・・という見かたもある。
ワシントンというずば抜けたFWだけでは、いまのJ1では勝てない、ということは言えても、東京Vの欠陥をずばりこれだ、と、断言できないところがもどかしい。東京V再建の処方箋を書き上げるには、もう少し時間が要る。


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tram