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2005年11月19日(土) トルコは確かに強かったが

W杯ドイツ大会プレーオフ(PO)、スイスvsトルコ第2戦(トルコホーム)はトルコが4−2(第1戦はスイス2−0トルコ)で勝ったものの、アウエーゴールの差でスイスがPOを制した。
思わぬ乱戦――それが率直な録画中継を見終わった感想だった。スイスが4点も取られるとは・・・トゥンジャイのハットトリックに見られるように、ホームにおけるトルコの攻撃の破壊力はすさまじかった。
第1戦のTV解説者・K氏は、「トルコの個の守備 対 スイスの組織的攻撃」が最大の見所だと言っていたが、この指摘が第2戦に引き継がれ、あたかも通低音のように響き続けていた。結論をいえば、ホームで2点取られてしまったら、POは勝ち抜けないということだ。
トルコの最初の失点は、試合開始2分、アルパイ(元浦和)のハンドによるPKだった。アウエーのスイスからすれば、天の助け、敵から塩を送られたようなものだ。あのアルパイは、この試合を裁くベルギー人主審を舐めていたのかもしれない。ビデオで見る限り、故意のハンド(ボールを手でコントロールした)に間違いない。トルコ代表監督は試合後、主審を非難したらしいけれど、「強い」トルコの驕りである。
2点目は前がかりのトルコ守備陣の連係ミス。トルコの右SBが、タッチラインを割りそうになったボールを中に戻すが、このボールを、走り込んできたスイスのストレーラーが奪って、フリーで決めた。点を取らなければ勝てないから仕方がない、という見方もあろうが、結果的にはこの失点がトルコの致命傷となった。
この試合、開始早々の失点により、トルコ選手の精神状態は尋常ではなかったろう。PKによる思わぬ失点、スイスの“アウエーゴール”が重圧となったに違いない。追い詰められたトルコは大量点狙いで焦る気持ちは当然だが、味方の攻撃力を信じて、冷静かつ組織的守備に徹すれば、トルコが逆転できた可能性もあった(結果論かもしれないが)。それくらい、トルコの攻撃力は力強かったのだ。
第1戦のところでも書いたけれど、「個の守備」では、ハイレベルの欧州予選は勝ち抜けない。トルコの実力はおそらく、スイスより上だろうが、結束力、組織力、運動量、スピードで、スイスがトルコを上回った。繰り返すが、個より組織力、結束力、すなわちチーム力を目指さなければ、個に劣る日本代表は、世界で通じない。06年はもうどうにもならないけれど、ドイツ以降の代表強化のコンセプトは、“スイスに学べ”でいいと思う。


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tram