Sports Enthusiast_1

2005年10月31日(月) いい試合だったのに

残念だ。もっと良質な主審の下でやらせたかった。優勝戦線勝ち残りを賭けた、浦和vs川崎は、浦和が3−2で勝ったものの、負けた川崎の方が内容は良かった。試合後、川崎の関塚監督は、「われわれを勝たせなかった何かが働いた」と抽象的にコメントしたにとどまったが、「勝たせなかった何か」とは、いうまでもなく主審の判定のことだ。
問題のシーンは3回あった。1回目は、試合開始直後、三都主に与えたPK。2回目は、川崎の得点の取り消し。3回目は、川崎の選手と浦和GKがゴール前で激突し、浦和GKが報復行為をしたシーン。主審は川崎の選手に一発レッド、浦和GKにイエローを出した。結果的に、浦和有利の判定が3回続いたことになる。
VTRで見ると、1回目は明らかに、ホーム優位の裁定だ。ボックス内で倒れた三都主は直接ゴールに絡んでいないので、ここでファウル=PKは甘すぎる。2回目は、浦和のマリッチの体をつかって川崎の選手がジャンプをしてヘディングシュートを入れた、という判定のようで、ゴールが取り消されてしまった。VTRで見る限り、確かに、川崎の攻撃の選手の手がマリッチの背中か肩に触ってはいるけれど、この程度ならばそのままゴールで構わない。これもホーム優位の裁定と思われる。3回目は明らかに誤審、というか、主審の判断ミスだ。ゴール前、川崎の選手の足が高く上がって、しかも、スパイクの裏を見せて浦和GKを襲った、というのが主審I氏の判断のようだが、川崎の選手の蹴り足は、浦和GKの体に触れた程度。あれくらいならファウルをとらない主審もいるので、これもホーム優位のジャッジで、イエローが適当だと思う。それに反して、報復行為で川崎の選手に殴りかかった浦和GKの方が、むしろ、レッド対象だろう。試合は、ロスタイムを入れて残り10分程度あったと思うので、浦和が得をしたことになる。レッドを受けた川崎の選手は、パワープレー用に交代で出てきた長身選手。川崎にしてみれば、反撃手段を一方的に奪われてしまったわけで、選手の反撃の意思が、一気に萎えたのがわかった。
さて、問題のI氏はSR(スペシャルレフリー)のようだけれど、不可解な判定が多いことで有名な迷審判。筆者には、この日も案の定、やってる、やってる――という感じがした。
浦和有利は、I氏の場合、確信犯的なのだと思う。「優秀」な主審は、ホーム優位の判定をする、という先入観がI氏にあるのではないか。それがI氏の先見的信念なのだと思う。
大事な大一番がこの先も続くシーズンの大詰め、厳しい試合を経験することで選手はうまくなる。発展途上の日本サッカー界にあっては、とりわけ重要な試合については、中立な裁定を維持した方が、選手の成長につながりやすい。浦和が主審のアシストで勝点3を上げたという事実は、浦和の選手の成長を妨げる結果につながる。ホーム(浦和)には楽に点が入り、アウエー(川崎)ゴールは根拠なく取り消される。こんな具合で勝っても、浦和の選手の成長につながらない。本来ならば、「負け」または「引分け」の試合で勝点が転がり込むようであれば、浦和の選手の実力低下につながりかねない。
おかしなI主審に対して、レッドカードを出せるのはだれか。審判を査定する第三者機関がJリーグに存在し機能しているのであれば、審査内容、査定内容等々をファンに公開すべきだ。Jリーグのホームページに、ファンが審判を査定する投票ボタンを設けてほしいくらいだ。サッカーファンは、いったいどのような手段で審判不信の声を上げればいいのか。


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