Sports Enthusiast_1

2005年10月25日(火) オフシーズンが楽しみだ

日本シリーズたけなわにもかかわらず、オフの日本プロ野球の動向が気になって仕方がない。早く日本シリーズが終わらないかなと、思うくらいだ。
広島、横浜、西武、阪神の経営母体が変わる可能性があるといわれる中、読売が新リーグ発足で他球団を牽制している。
思えば、昨年、1リーグ制の流れができかけたとき、ホリエモン騒動が起こり、選手会がストを打って世論(マスコミ)の応援もあり、2リーグ12球団が維持された。筆者はそのとき、現状の2リーグ、12球団に反対したけれど、いまも持論に変化はない。日本プロ野球機構という足腰の弱い組織に即すれば、1リーグ、10球団が理想だと当コラムで何度も書いてきた。
しかし、本来の日本の経済力、民力からすれば、1リーグ制(10〜12球団)というあり方は規模が小さすぎる。1リーグ制度の根拠は、日本のプロ野球が立っている土壌があまりにも脆弱だという理由からだ。
MLBは2リーグ・30チームある(3A、2A、1A、独立リーグを加えると、何球団あるのかわからない)。米国とカナダを加えた営業エリアは日本の25倍以上に達するから当然であるが、人口比でみると、米国3億人、日本1.3億人と、米国は日本の2.5倍程度と面積ほどの開きはない。つまり、単純に人口を指標とした場合、日本の市場規模は米国の約半分となる。これを球団数に割り当てると、日本は最低でも16球団程度の運営が可能となる。Jリーグが現在、J1で18クラブ・1リーグ制で運営していて、ほとんどのクラブが黒字だと言われているから、有力企業が新規参入を望むプロ野球であれば、10球団・2リーグ、合計20球団程度が可能だと推計される。スペインは人口(4,300万人弱)、国土が日本の約1.3倍、サッカーのスペインリーグが一部・20クラブで運営されているから、日本プロ野球が2リーグ・20球団というのは、きわめて妥当な推計だと考えられる。
20球団の地域割りとしては、北から北海道(1)、東北(1)、関東(1)、首都圏:東京(2)、横浜(1)、川崎(1)、千葉(1)、埼玉(1)、東海(1)、中部:名古屋(2)、甲信越(1)・近畿:京都(1)、大阪・神戸(2)、中国(1)、四国(1)、北九州(1)、南九州(1)くらいの分散が望ましい。
このくらい地域分散がなされていれば、ホーム&アウエーが明確となり、「巨人」一極集中というプロ野球でなくなる。そうなってはじめて、地域代表同士が雌雄を決する、プレーオフが実効性のある制度として機能する。
球界の盟主といわれる読売が、オール日本を見据えた青写真を描くことはない。読売は自社の利益追求手段として、プロ野球という娯楽を創設し戦略的に駆使して成功してきた。日本プロ野球とは、読売がつくりあげた「利権」にほかならないから、それをただで手放すことなど、あり得ない。コミッショナーは読売の傀儡だから、反読売を掲げて、プロ野球改革を目指すのならば、読売の影響から脱しなければいけない。
読売が新リーグをつくるというのならば、残った球団はそれと戦う覚悟がいる。読売が目指す新リーグは、これまで同様、「巨人」中心の「プロレス野球」の続行が期待できる。残った別リーグは、スポーツとしての野球が期待できる。どちらを望むかは、ファンが選択すればいい。読売の新リーグに参加する球団を「公共財」というのは難しいと思うけれど・・・
日本のプロ・スポーツ界を見渡せば、たとえば、プロレス界では、力道山亡き後、諸団体林立状態が続いている。かつて、志の異なる団体同士が因縁の戦いを演じたこともあった。野球においても、そういうコンテンツがあっていい。プロ野球が1つの機構で運営されなければいけない理由はない。
日本シリーズは早く終わりそうだけれど、この先もプロ野球から目が離せない。もうしばらく、球団売買やリーグ再編などの話題で楽しめそうだ。


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