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2005年10月13日(木) 海外組の実力がわかった

日本17位、ウクライナ39位。世界ランキングなど、いかに当てにならないか、昨晩の代表親善試合を見た人ならば納得できると思う。しかも、ウクライナにはシェフチェンコを筆頭に有名選手は出ていない。日本代表もレギュラー全員が揃っていないのでお互い様だが、それでもウクライナのほうが体力、運動量、規律・・・において優れていた。
中田浩への一発レッド、終了間際のPKと、主審のいただけない判定には閉口したが、日韓W杯で韓国、日本が得た「疑惑の判定」の数々を忘れてはいけない。サッカーとはそんなものだ。親善試合、昨晩の試合は日本の判定負けだと思えばよい。それくらい、日本のサッカーはレベルが低かった。
そのなかの1つ、中田浩の背後からのタックルがイエローかレッドか――という議論は無益である。ラトビア戦のミスパス、ウクライナ戦で一発レッドと、2つのミスを犯した中田浩を責めるのならば、彼が試合状況をわきまえないプレーをしたという一点に尽きる。ラトビア戦のヨコパスは言わずもがな、ウクライナ戦でのファウル(結果は退場)は、時間帯、エリア、展開を考えてみれば、あれほどリスクの高いプレーをする必要がないことは明白だ。中田浩の2つの問題のプレーに共通しているのは、それぞれの状況にそぐわないプレーをした、ということになる。
中田浩はたいへん、すばらしい選手だと思う。トルシエ前代表監督に見込まれたのかどうか知らないが、フランスリーグにまで進出した選手だ。しかし、彼は試合に出ていない。だから、試合(勝負)でやるべきプレーを選択できなかった。連続して起きた彼の2つのミスは、その帰結である。
筆者が代表監督ならば、試合に出ていない選手は代表に呼ばない。ジーコが鹿島に特別な愛着を抱く人物であることはよく知られている。だから、鹿島で育った(海外組の)中田浩を守備の要の一人として抜擢したいと考えるのだと思う。しかし、W杯本大会までの代表選手選考については、試合に出場し、チームの勝利に寄与し、チームメートから信頼を得ていることを最低限の条件としたい。まず、国内(Jリーグ)で活躍していること、そのことは海外でも同じだ。海外(欧州)と日本とはレベルが違うというかもしれない。しかし、海外で試合に出ないで練習ばかりの海外組なら、Jリーグで厳しい真剣勝負をしている選手の方が本番で力を発揮する。
乏しい収穫しか上がらなかった東欧遠征だったが、海外組の力が計れたいい機会だった。光るのは、松井の運動量とスピードくらいだ。ついでにいえば、ボランチ稲本も同じだ。いまの稲本の力量ならば、Jリーグの福西、遠藤で代替可能だし、運動量と成長性でいえば、阿部(千葉)の方が魅力的だ。FWの柳沢も同じだ。嫌味で言えば、評価が高い俊輔が所属しているスコットランド(リーグ)は、FIFAランキングで74位だ。こんな低いリーグで俊輔は「活躍」しているにすぎない。最近のJリーグの試合の充実ぶりを考えれば、Jリーグ及びJリーガーはもっと、自信をもっていい。


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