Sports Enthusiast_1

2005年10月09日(日) 弱さの証明

FIFAランキング、日本16位対ラトビア63位。いくらアウエーとはいえ、日本は勝たなければいけない相手だ。日本代表の中心メンバーは「海外組」と呼ばれる欧州のクラブに在籍する選手が主力となった。といっても、レギュラーはヒデ、俊輔くらいで、高原、松井、大久保、柳沢はレギュラーと控えの中間クラス。稲本、中田(浩)はベンチ入りもできない。先発は大久保以外の7人が揃った。
前半は高原のまぐれシュートが決まり、相手のプレスも弱く、楽勝ムード。後半開始まもなくPKをもらい、2−0とリードした。でも、ここまでの試合展開で日本の実力が証明されたと思うのは、大間違い。
後半、ラトビアは選手交代を含め、ガンガン前に出てきた。戦術はハイボールを前に当ててこぼれ球を拾ったり、日本のヨコパスを奪って一挙にゴール前に迫るという、シンプルな戦術だ。難しいことは何もしない。ワンツーすら行わない。日本代表に勝る体力、パワー、スピードで押し込んできた。ラトビアの1点目はコーナー、2点目は中田(浩)のミスパスをFWに奪われてフリーで決められた。中田浩のミスパスといえば、02年日韓W杯ベスト8をかけた日本vsトルコ戦を思い出す。あのときも中田浩のミスパスがコーナーキックを献上して、決勝点をヘディングを決められた。中田浩に進歩が見られないのは、試合に出ていないからだ。海外に「いるだけ」の海外組は戦力にならない。
ラトビアの戦略は日本選手の疲労を待って後半勝負に持ち込むものだった。日本の1点目の高原のまぐれシュートと2点目のPKはもちろん彼らの想定外で、前半は0−0でいいとの組み立てのように思えた。サッカーは90分の勝負なのだ。
この試合に限れば、監督采配、監督・選手の試合の読みの正確さ、選手のパワー、スピードといった運動能力、さらに組織力において、ラトビアの方が上。日本代表のFIFAランキングがバブルであることの証明のような試合だった。日本はコンディションの悪い海外代表チームにホームで勝って、ランキングを上げてきたのに過ぎない。立場が変われば、勝てないのが現実なのだ。
ジーコ監督は、前半の楽勝ペース、高いポゼッションに気が緩んだか。後半、「黄金」の中盤がへばって防戦一方になったまま、建て直しがきかない。選手交代のタイミングを逸し、守備のシステム変更(3バック)でバランスを崩しミスが出て失点、しかも、勝ち越し狙いの攻撃陣の交代で出てきたのが、鹿島の鈴木、本山。この二人が何で代表なの。国内のオールスターに不出場ながら、もっと元気のいい選手がいるだろう(いないか・・・)。鹿島の選手を優遇して、海外遠征に参加させたとしか思えない。ジーコジャパンではなく、ジーコ鹿島か。親善試合なんだから、新しい選手を試すべきではないのか。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram