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2005年09月05日(月) 星野巨人入りは頽廃

報知を除くスポーツ新聞各紙が星野阪神SDの読売入団をほぼ確実視している。素人・部外者の筆者に事の成り行きは読みきれない。ただ、一言、言わせていただければ、読売が用意した契約金10億円という報道が真実なら、星野読売入団は頽廃以外の何者でもない。
そもそも読売の弱体化の主因は、他球団で実績を上げた選手をカネにまかせて集めたことだった。まわりを見回して、よさそうな選手をFAで買う。チームコンセプトを考えず、選手の成長のエネルギーを勝利に結びつける術も持たなかった。そのうえ、いま、指導者まで買おうとしている。これこそカネに任せた、選手・指導者集め――頽廃ではないのか。
今シーズン後半、清原・ローズ・江藤が試合に出なくても、読売が勝率5割程度を十分維持できることが証明されている。二軍から上がった選手たちが実戦経験を積めば、勝率はもう1割程度上がるだろう。読売の敗戦の中には、桑田の「テスト登板」も含まれているから、本当はもっと上がっているかもしれない。つまり、堀内監督という実力の伴わない監督でも、清原・ローズ(江藤)を試合に出さなければ、今シーズン、ましな戦いができた。
さて、渦中の人・星野SDは大学卒業後、ドラフトで読売に1位指名されることを望んだところが、読売の1位指名は投手でありながら星野でなく、島野だった。星野はその悔しさをバネにして打倒読売に闘志を燃やしたといわれている。読売に入った島野は選手としては大成せず、現役引退後、読売のマスコット人形の着ぐるみを纏って、人気者になったらしい。勝負の世界は不思議なものだ。人生、いろいろか。
星野は新卒の就職で一流企業を志望しながら入社試験で落とされ、二流企業に入社して業績を上げて社長に上り詰め、四半世紀後、その一流企業を追い抜くまでに二流企業を成長させた企業人に似ている。そして、就職時に自分を落とした一流企業から、建て直しの要請を受けたのがいまの状況かもしれない。ここで学生時代の夢をかなえるのか、それとも、意地を張って断るのか・・・
星野を取り巻くいまの状況からは、断る理由がないように見える。企業人なら、請われて断る理由もなかろう。しかし、問題は星野の決断にあるのではなく、星野に再建を託そうとする一流企業、つまり読売の方にある。この一流企業(読売)が、優秀な人材を有り余るほど抱えていることを忘れてはいけない。業績が上がらなくなったのは、ここ数年の読売球団フロントと指導者の思い違いに起因していることも忘れてはいけない。
そのことを反省せず、読売は、またぞろカネに頼ろうとする。自分達が築いてきた資産を活用すれば、大金を積まなくとも、業績改善が可能なのだとしたら・・・カネを使わず、もっと頭を使え、と言いたくなるではないか。


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