Sports Enthusiast_1

2005年08月17日(水) 「巨人軍」を斬らない(続)

“ヤングボーイ”とは長嶋さんの傑作英語?の1つ。読売がここのところ、“ヤングボーイ”の活躍でいい勝ち方をしている。報道によると、問題の人・清原も手術・治療専念・退団が濃厚となった。筆者は当コラムで読売は人材活用次第で勝てるようになる、と何度も書いてきたので、いまの読売の変化をうれしく思っている。
一方、サッカーJ2の横浜FCが、“オールドボーイ”を集めだしたらしい。横浜FCの構想はすごい。W杯98年フランス大会当時の日本代表を集めるというのだ。現在、FWには城がいるが、MFの山口(新潟)の期限付き移籍が決まった。さらに、DFの名良橋(鹿島)、MFの名波(磐田)の名も挙がっているという。当時の代表の人気選手として忘れてならないのは、現役では岡野(浦和)だろう。フランスには行けなかったけれど、カズ(元神戸)が既に横浜FCに移籍しており、彼を含めると、横浜FCは豪華な顔ぶれになる可能性が高い。当時の代表といえば、FW=城○、ゴン○、絽比須、岡野○。MF=ヒデ○、森島○、名波○、山口○、相馬○、中西○、平野○、DF=名良橋○、秋田○、井原、小村○・・・(○印=現役)の名前が思い浮かぶ。
横浜FCの発想はおもしろい。いまスポーツ界のテーマは世代交代だ。サッカーではフランス代表が、日本のプロ野球では読売が、世代交代で苦しんでいる。世代交代で追い出されるのはおおむねベテラン選手だけれど、フランス代表では、一時は代表引退を決めたジダン、マケレレが復活した。サッカー界は世代交代も一方通行ではない。さらに、活躍の場をJ1からJ2に求める選択もある。J2でがんばって、J1入りを果たせば、ヒーローになれる。「老兵はただ、消え去るのみ」といったのはマッカーサーだが、サッカーー界では、第二、第三の活躍の場が用意されているのだ。
再び、日本のプロ野球に話を戻すならば、話題の「老兵」といえば、読売の清原だが、清原の復活の条件はトレーニング方法の見直しだと筆者は考える。これも何度も書いたことだけれど、上半身の筋肉を整理して体重を落とせば、現役生活が伸びる。指名代打(DH)制度のあるパリーグでやっていける。もう一度、清原自身、西武時代のVTRを見るべきだ。ベテランスポーツ選手の肉体改造の成功例としては、横浜FC移籍のカズがいる。カズは体重を絞り、下半身への負担を軽減した。体重を落とすとパワーが落ちるというのは一般論だが、野球は総合格闘技ではない。
制度的な見直しとしては、日本プロ野球(NPB)がマイナーリーグを創設すれば、老兵の清原、桑田らが現役でプレーするチャンスが生まれる。“マイナーなんかでやれるか”というのも生き方の一つかもしれないが、マイナーから、“メジャーに戻る”のも生き方の一つだ。一気に「上り詰める栄光」もあるし、一度、そこから滑り落ちた後、「這い上がる栄光」もある。筆者には、後者に共感するファンが少ないとは思えない。
横浜FCの試行は注目に値する。逆バリの心意気がいい。NPBもサッカー界に倣っていい。スポーツファンは、新鮮で多様なメニューを求めている。それにこたえるのが、供給側の使命ではないか。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram