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2005年08月14日(日) 「巨人軍」を斬らない

読売が首位阪神に2連勝した。2試合の先発オーダーに清原、ローズがない。清原は一軍登録から外れた。この試合をみたとき、フィールド内がずいぶんと軽くなったような気がした。清原、ローズがいないフィールドで、鈴木、川中、原、矢野らが溌剌としたプレーを見せた。大活躍したのは、ニ岡だ。ニ岡は日本のジータ(NYY)を思わせる。彼が読売の内野のリーダーになれば言うことはない。これを機に、野手陣で競争が激化し、埋もれていた人材が才能を開花し、人材に流動化が生ずる。読売野球が変わるのだ。
投手陣では、セットアッパーとして、林(左)、久保(右)が働いた。林は第一戦で金本に同点本塁打を浴びたが、TV解説のK氏(元阪神)が指摘したように、打った金本の技術が上回ったもので、林は責められない。しかも、K氏は続いて、結果は仕方がないのであって、投手が逃げなければ、野手は投手を責めないと解説した。すると、その裏、K氏の解説(予言)どおり、ニ岡が決勝本塁打を放ち、林を救った。これがチームプレーというものだ。打ったニ岡もみごとだが、解説のK氏の慧眼ぶりも驚嘆に値する。
逆に、この2試合で明確になったのが、クローザーの不在だ。来シーズンまでにクローザーをいまの投手陣の中から育てるのか、それともトレードで他チームから獲得するのか、外国人で補強するのかが問われている。
この2試合を見る限り、堀内監督がもう少し早く、筆者が提案していたとおりの選手起用をしてくれたならば、読売はいまの順位以上になっていただろうし、来シーズンのチームづくり構想も早く見えたことだろう。重ね重ね残念でならない。
とはいうものの、この2試合で読売の指針は明確になった。だから、筆者がこれまで展開してきた「巨人軍を斬る」シリーズを中止する。来シーズン、読売は、ホームラン野球を捨て、野球の原点である、打って走って・・・に復帰すると思う。そうなれば、「読売野球」はスポーツとしておもしろくなる。
Jリーグがいい先例を示している。Jリーグは一時期、実績のある外国人やカズ、ラモスを筆頭とするスターに依存した。ところが、加齢による大物選手の実力の低下とともに、Jリーグの人気は低迷した。Jリーグは、スター主義からの脱却を目指し、スピード、パワーに立脚したスペクタクル性を重視した。Jリーグがサッカーのあり方を転位したことにより、内容がおもしろくなり、人気回復が実現した。読売も野球の質を高める努力をすれば、順位も上がるし、人気も回復する。


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