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2005年08月06日(土) 高校野球を正常化せよ

高校野球で不祥事があり、甲子園出場予定校が失格となった。不祥事とは野球部員の喫煙らしい。一見、当然の措置のようだが、筆者が卒業した高校の野球部の部室は、われわれ不良高校生の喫煙室だった。喫煙が悪いことは当たり前だが、喫煙ぐらいで新聞沙汰になるほうが異常だ。
野球のうまい高校生を特別扱いする大人社会が悪い。高野連、朝日新聞ほか大新聞、テレビ・・・みな高校生の野球の寄生虫だ。高校野球は、彼らの社会的地位の保証、新聞拡販、視聴率アップ・・・につながっている。
高校生というのは、未成年者。責任を問われない。彼らには自由がある。野球をやってもいいし、サッカーをやってもいいし、アニメやゲームのオタクでも構わない。それぞれの高校生活があり、彼らは彼らなりのハイスクールライフを楽しむ権利がある。もちろん、ちょっぴり悪いことをしてもいい。喫煙、飲酒もあり得る。夜、街を歩けば、高校生の多くがコンパらしき集まりで酒を飲んでいる。彼らは法律を犯しているけれど、「許されている」。それが高校生だ。高校野球は、高校生のクラブ活動、それ以上でも以下でもない。
高校野球の弊害はそれだけではない。甲子園大会で、トーナメントを勝ち続けるチームの「エース」は、ほぼ連日、150球程度、5試合近く投げ続けることになる。予選を含めれば、それ以上になる。高校生にあってはならない、投球数だ。プロの投手(MLB)だって、100球程度、中4日だろう。これほど、不健康な野球を強いる指導者が、名監督などとおだてられる。これも異常だ。
有名高校となれば、「球児」は全国から集められる。立派なプロだ。ベンチ入り十数人に対して部員は500人に膨れ上がる高校もあるらしい。この数は、日本のプロ野球の支配下選手数を大幅に上回る。甲子園に出場する者は、その頂点に君臨するプロ化した高校生。彼らを「球児」と呼ぶマスコミは倒錯者集団か。
炎天下、未成年者が野球をすることも健康に良くない。高校生なら、夏休みは自由な勉強をすればいい。どうしても夏休みに野球をしたければ、夕方からナイターで1日1試合程度をすればいい。全国大会はインター杯があるから、それで十分だ。野球をやることは悪いことではないけれど、野球だけをやることは悪いことだ。
高校生という多感な時期に、野球だけに集中することを勧めない。筆者としては、「球児」たちに「野球ばっかりやっていないで、たまには酒でものんだらどうだ」といいたい。


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