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2005年07月16日(土) 読売崩壊か

プロ野球セリーグでは、読売がひどいことになっている。読売については、昨年、今年とスポーツマスコミが充実した戦力と評して優勝候補に挙げてきたが、期待を裏切っている。読売が勝てない理由については、当コラムで何度も書いた。OBを含めて優秀な指導者を抱える読売が、素人でも指摘できる誤りをただせない理由がわからない。
読売のチーム作りの失敗を象徴する存在が清原だ。打率2割そこそこ、ホームランはリーグ4位だが、貢献度は低い。
シーズン前、そもそも堀内監督は清原を戦力外と規定したが、ファンやフロントに押し切られ、「手打ち」となった。清原はシーズンに入って歴代ホームラン記録を塗り替えたので活躍しているように見えるが、勝利には結びついていない。それでも彼が打席に入ると、スタンドから歓声が沸きあがるのだから、読売のファンの気が知れない。サッカーならば、ブーイングだ。MLBでもそうだ。年俸が高いくせにお粗末なプレーを繰り返せば、サポーターが非難するのが普通なのだが。
使えない選手の起用を世間、フロンから強要され、結果が出なくても選手は責められないで、監督が非難される。この構造を見ると、読売というところは、ファンも球団も倒錯しているとしか言いようがない。
清原ばかりではない。江藤、ローズ、小久保・・・と、強打者の獲得には成功したが、彼等が強打者ぶりを発揮しない。読売のチーム作りは、各ポジションのトップ選手を集めれば総体的に最強チームになる、という単細胞発想だ。野球がチームスポーツであるということは、各選手に役割があることを意味する。そのことは守備で明確だが、打線でも同じなのだ。打線において、クリーンアップを頂点と考え、その脇に従って底と考えるのが一般的だが、実力が拮抗し投手のレベルが高い国内トップのリーグでは、打線に役割が求められる。読売がカネにまかせて野手を集めるのならば、それぞれのポジションで最も優秀な選手を集めるのではなく、各チームで最も優秀な1番から8番までの打者を集めればいい。ただし、守備を考えると、この仮説はおそらく実行不可能だろうが。
厚い選手層を誇る読売ならば、そこまでしなくても、自軍が抱える全選手を成長性、将来性を含めて再評価(棚卸)をし、清原、江藤、ローズ、小久保とダブついた「四番打者」を整理することだ。それをスクラップ&ビルド(S&B)という。S&Bの理念は、スピード、パワーという野球の基本に立ち返ることだ。
読売のもう1つの弱点は、外国人選手獲得が下手なことだ。今シーズン、スポーツマスコミの評価では超Aクラスと喧伝された2人のメジャーが、すでに解雇されている。さらに急遽即戦力として来日した3Aのストッパーも日本で結果を出すには時間がかかりそうだ。使ってみなければわからないのが外国人選手というけれど、MLB側が契約した日本人選手は、ほぼ全員がそれなりの結果を出していることから考えると、読売の外国人選手契約の歩留まりは低すぎる。海外担当スカウトに選手を見る目がない。
読売はFA、自由枠、MLBと、即戦力をかき集めてきたつもりだろうが、チーム内には競争原理が乏しいのではないか。読売の選手になったということで、若手選手が向上心を失っているのではないか。いや、上がつっかえていて、成長できないのか。
S&Bと並行して、積極的なトレードも必要だ。読売ならば一生飯が食えるということもあるまいが、二軍を含めた選手の入れ替え(上下)を積極化するとともに、トレードを活用(左右)して、チームを活性化することだ。
二軍では、筆者の好きな鈴木がケガから復活している。彼のスティールを一軍で早くみたいものだ。


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tram