2005年07月10日(日) |
「楽天不買運動」するしかないな |
再開後のJリーグについて、触れておこう。 今回は、千葉、神戸という2つのクラブの存在に注目してみた。どちらのクラブにも、有名選手はいない。神戸にはカズという往年の名選手がいるが、いまはベンチを外れている。年俸比較でどちらのクラブが選手にカネをかけているか不明だ。もしかしたら、神戸の方が上かもしれない。いずれにしても、Jリーグ中、両者が保有している選手の資質に差がない。それでも、チーム活力及びやっているサッカーの質については、大きな隔たりがある。 Jリーグの中で、オーナー(経営者)が真剣にクラブ運営に取り組むのか、それとも、無策のまま、監督を更迭し選手を非難するというパフォーマンスでお茶を濁すのか。両者のクラブ運営の差は大きすぎる。
●オーナーの責任だ―ヴィッセル神戸― 中断中、監督を替えてリーグ戦に臨んだ神戸(楽天)だが、結果が出ない。チームの惨状を見た三木谷オーナーは、今度は選手に向かって、「気合が足りない、男として情けない」とコメントしたらしい。とんでもない話だ。クラブ運営、強化策を怠り、結果が出ないといっては監督を更迭してきたツケがまわっているだけではないか。結果が出ないのは、監督や選手だけの責任ではない。だれがみたって、神戸(楽天)の戦力は落ちる。このことは何度も当コラムで指摘してきたとおりだ。 そのことに手を打たず、監督を更迭し続け、挙句の果ては選手を非難するとは見当違いもはなはだしい。では、オーナーの責任はどうなのか。神戸のサポーターは温厚だから騒がないけれど、浦和や柏だったら、サポーターが黙っていないだろう。クラブ側にチームの具体的打開策を問うだろう。神戸のサポーターなら、「楽天不買運動」でまず、やる気のないオーナーに活を入れる。「男として情けない」と非難されるのは選手ではなく、無策のオーナーではないか。 サッカーのクラブは、金持ちオーナーの私物ではない。プロ野球のときに議論されたとおり「公共財」だ。である以上、神戸(楽天)はクラブ運営に真剣に取り組んでほしい。また、神戸(楽天)のクラブ運営手法及び運営姿勢を問題視しないマスコミの責任も大きい。オーナーが、マスコミを使って選手を非難するとは・・・
●驚嘆の2バック―ジェフ千葉― オシム監督(千葉)が、すごいことを始めた。2バックだ。再開初戦の神戸戦は相手が超守備的布陣を敷いたので2バックにしたものと思っていたが、どうもそうではないらしい。2バック千葉は初戦、そのシステムが裏目に出て神戸に先行され引分け、次のC大阪戦は0−2で負け、そして、3戦目の新潟戦、どうにか3−2で再開後初勝利を上げた。 2バックはストヤノフ(右)、斉藤(左)、4バックのSBに当たるのが坂本(右)、山岸(左)で、ボランチより上は変わらない。二人のSBが極端に上がり目のポジションをとった布陣とも言えるが、きわめてリスクが高い。千葉の陣形を想定して相手が3トップできたらどうするのか。たとえば、鈴木、アレックスミネイロ、本山のような3トップに近い鹿島と戦う場合、スルーパス一本で一瞬にして相手に数的優位をつくられてしまうだろう。MFの人数を増やせば攻撃は厚くなる。相手のクリアボールを拾いやすくなり、攻撃時間が長くなる。しかし、裏を取られたりスペースを使われる危険もある。 オシム監督は手馴れた3バックをあっさりと清算して、新システムに挑戦した。解説のM氏によると、その意図はマンネリ打破だという。選手、チームに新しい課題を与え潜在能力を引き出し、選手個々の能力を高めるためではないか、というのだ。おそらく、そうだ。しかも、試合が集中する7月に新システムを試したのは、短い間隔で試合が組まれた時期こそ、新システム習得の絶好機だと考えたからだろう。 オシム監督は、Jリーグのレベルが上がらなければ代表のレベルが上げるわけがない、という。オシム監督の情熱には頭が下がる。 神戸(楽天)は、オシムのような指導者として、ブラジル人のエメルソン・レオンを選んだのではないのか・・・
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