Sports Enthusiast_1

2005年06月23日(木) 実力を認めなければ・・・

筆者は、当コラムの「予想通りだったけれど」(2005年06月09日)において、コンフェデレーションズカップ、「Bグループで勝点4以上ならば、ジーコジャパンの実力を認めないわけにはいかない」と書いた。書いた以上、ジーコジャパンの実力を認める。Bグループで欧州王者のギリシアに勝ち、世界王者のブラジルと引分けたのだから。
ただし、その実力は、2005年6月時点の、ということといたしたい。このような留保をつけた言い訳をすれば、ギリシャは明らかにチームとして調子を落としていたし、ブラジルはロベルト・カルロス、ロナウドを欠き、アドリアーノがいまひとつだった。日本戦におけるブラジルのDF陣は、セレソンのレギュラークラスではない。
でも、サッカーというスポーツでは、このように言い訳をしていては成立しない。サッカーに限らず、スポーツというのは、相対的な力学なのであって、実力が同じならば片方がそのとき力を落としていれば、もう片方に勝利が転がり込む。実力が上でもそのときの調子が大きく狂えば、実力が下でも勝つことがあるし、引分で終わることもある。
ただ、忘れてならないのは、日本と引き分けたブラジルと、日本に勝ったメキシコが決勝トーナメント(T)に進出したという事実だ。ブラジルが本気を出さなかった、という意味ではない。テレビ中継で見る限り、ブラジルが手を抜いた事実はないと思う。ないと思うが、必ずしも勝つ必要のないゲームなので、負けない試合をしたとも思える。
日本がブラジルと引き分けたということは、日本人サポーター、選手を含めた日本のサッカー関係者にとって、忘れがたいゲームの1つとし記憶されるものなのかもしれないが、ブラジルにとっては、公式大会において、引分で決勝Tを決めた、数あるゲームの中の1つにすぎない。もちろん、日本のこの引分に意味がないとは言わないけれど、ジーコジャパンがコンフェデの2大会続けて、決勝Tに進めなかった、という事実を忘れないでいただきたい。善戦したのだからすべて許されというのではなくて、決勝Tに進めなかった事実を、関係者一同、重く受け止めていただきたい。


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tram